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コンコン。
木製の扉を軽くノックし、お邪魔する。
ベッドに腰掛ける病人は少しずつ線が細くなっているようだ。
繋がれた管が彼に命を注ぎ込んでいる。
「重岡さん、夕食の時間ですよ。」
看護師さんになりすます。
彼は、気づくだろうか。
「重岡さーん？」
振り向かず、窓の外を見つめている。
泣いているのか？具合が悪いのか？
私は不安になり、看護師ごっこはやめ、駆け寄る。
「Aやろぉ。声でわかるわぁ。」
振り向いた彼は大きな葉っぱに穴を開けた仮面を装着している。
「散歩してたらめちゃくちゃでっかい葉っぱ見つけてさぁ」
「…心配して損しました。」
「えっ、心配してくれてたん？ありがとぉ」
腹立たしい笑顔で私をあおる。
くっだらないなぁ。と、好き。が心の中で混ざり合う。
少し赤みを帯びた葉っぱが知らせる。
そうだ、もうそんな季節だ。
彼と出会って１ヶ月が経過していた。
めまぐるしい日々に追われて日付感覚などとうに失っていた。
大学祭までもなんだかんだあと1ヶ月ほどしかない。
歌の練習はいいんですか？
喉まで出かかった言葉。
彼のバンドは４人中３人が３年生で、
実質今年の大学祭での演奏がラストとなる。
私としても出てほしいし、彼も同じ気持ちだろう。
でも、できないかもしれない。とめられるかもしれない。
そんな不安から口に出すことはかなわなかった。
「秋なのにあんまり食欲あらへんけど、
Aの作ってくれる飯やったら全力で食いたいなぁ」
彼氏みたいな台詞をさらりと言う。
どうすればいいのよ、と困った様子の私を見て楽しんでいるようだ。
なんたるサディスト。
「今度作りますね。何作ったらいいですか」
生返事といってもいいほど適当に返す。
「んー、オムライス！ちょっとなんかこう、
ちっちゃい感じのやつ！頼んだわ」
小学生のようなテンションで答える。
本当にこの人は病人なのかと疑ってしまう。
オムライス。
実家暮らしの私はまだ料理の経験が浅く、
恥ずかしながらオムライスを作ったことがない。
“今度教えたるよ”
いつか聞いたような声が頭の中で反芻する。
私が葬ったはずの、いつかの“思い出”が。
「A…？」
「ぇあ、、すみません、ぼーとしてました。」
「この部屋あったかいから眠くなってまうよなぁ。」
エアコンの温度を下げようとベッドから起き上がるのが
少ししんどそうに見えた。
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カキピー。(プロフ) - らーさぁさん» 覚えてて下さったとか光栄すぎて……(T-T)はい！らーさぁさんの作品楽しみにしています！笑執筆活動頑張ります！ありがとうございます！レス遅れてすみません！ (2016年7月20日 5時) (
レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
らーさぁ(プロフ) - カキピー。さん» わわわ！！勿論覚えてますよ！お久しぶりです。そんな風に仰っていただけて光栄です…ありがとうございます( ；∀；)これからもお互い執筆頑張りましょう！またことぴさんのほうにもお邪魔させてもらいますね(・ω・)ノ (2016年7月16日 8時) (レス) id: cac586eb2c (このIDを非表示/違反報告)
カキピー。(プロフ) - らーさぁさん。覚えているでしょうか。改名してしまいましたが、二階堂君の「祈り」を読み、らーさぁ様にハマった者（旧jyanikotopi）です。このお話が凄く大好きです。やはりらーさぁさんは私の神、です←黙)))更新、頑張って下さい！ (2016年7月16日 4時) (レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らーさぁ | 作者ホームページ：http://kit2-love
作成日時：2016年6月15日 1時
