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それから、数日後。
「A、ほんまに最近なにきょろきょろしとるん。
上京したての田舎もんみたいやで」
「それ小瀧でしょ」
「おれ都会っ子ですぅ」
やっぱり笑顔先輩が頭から離れなくて
ずっと、挙動不審に思われても仕方ないくらい
きょろきょろしていた。
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神山さんにもあれ以来会っていない。
まぁ、こんなに広いキャンパスなんだから当然っちゃ当然。
神山さんは今日も実験してるのかなぁ。
文系の私とは縁のない理系の棟になんとなく足を踏み入れる。
神山さんを探しているわけではないけれど、なんとなく。
「ほ〜。」
ホワイトボードには謎の記号やら数字やらが並んでいて
私からしたらアラビア語みたいに見えた。
「あれぇ？ドジっ子ちゃんやん！よ！覚えとる？」
後方から聞こえる声。近づく足音。
…もしかして。
振り返ると、やっぱりそうだ。
少年のようにキラキラした笑顔。
模範解答といっても良いような笑顔。
そう、私が探していたひと。
「あ！ひょあ！」
一目惚れしてしまった、
そんな自分の気持ちに気づいてしまったからには平静を保てるはずもなく、
素っ頓狂な声を上げてしまった。
「あひゃひゃひゃ(笑)声ひっくりかえってんで。
お久しぶりです」
彼は白衣を纏い、両手にフラスコを持っていた。
彼に関する情報がひとつ増えた。
笑顔先輩とは。
・笑顔の偏差値が高い
・よく見ると、左頬にえくぼがある
・理系
…そうだ。私。名前も知らない。
「あのっ」
「あ、あかん、あと1分や！
ごめん、来週の今日、昼休み、この前んとこおるよ！」
「え、あのっ！」
タイミング悪く、またもや名前を聞き逃してしまった。
だけど、今のは。
“来週の今日、昼休み、この前んとこおるよ！”
「きゃあ。」
私は小さな悲鳴を上げた。
だって、だって、これって笑顔先輩も私のこと…
「さすがにそれは考え過ぎか」
期待に高まる胸の鼓動を無理やり押さえつけ、
彼の言葉を何度も頭の中で反芻した。
“来週の今日、昼休み、この前んとこおるよ！”
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私は軽い足取りで棟を出て行った。
あの日のように良い天気だった。
心地よい風が理系の棟に吹き込み、
掲示された紙がわずかにはためいていた。
彼との約束に、ひっそりと幸せを噛みしめる私のすぐそばで、
金のピアスもまた、風に揺れていた。
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カキピー。(プロフ) - らーさぁさん» 覚えてて下さったとか光栄すぎて……(T-T)はい！らーさぁさんの作品楽しみにしています！笑執筆活動頑張ります！ありがとうございます！レス遅れてすみません！ (2016年7月20日 5時) (
レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
らーさぁ(プロフ) - カキピー。さん» わわわ！！勿論覚えてますよ！お久しぶりです。そんな風に仰っていただけて光栄です…ありがとうございます( ；∀；)これからもお互い執筆頑張りましょう！またことぴさんのほうにもお邪魔させてもらいますね(・ω・)ノ (2016年7月16日 8時) (レス) id: cac586eb2c (このIDを非表示/違反報告)
カキピー。(プロフ) - らーさぁさん。覚えているでしょうか。改名してしまいましたが、二階堂君の「祈り」を読み、らーさぁ様にハマった者（旧jyanikotopi）です。このお話が凄く大好きです。やはりらーさぁさんは私の神、です←黙)))更新、頑張って下さい！ (2016年7月16日 4時) (レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らーさぁ | 作者ホームページ：http://kit2-love
作成日時：2016年6月15日 1時
