#26 ページ27
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やはり、事実を知っていることを隠したまま
話していては、息が詰まる。
「あの、さっき、見えちゃったんです…携帯。」
「あ、あは、そっか…バレてもうたか！
ごめんなぁ、言わなくて。おれ、癌やねん！あぁ困った！」
そう言ってまた笑い飛ばす。
きっと、私に気を遣ってわざと笑ってくれている。
張本人よりも私が泣きそうになる。
そんなの、おかしいよと自分に言い聞かせても堪えきれない。
こんなに素敵に笑うひとが、こんなに優しいひとが、
どうして癌にならなきゃいけないの。
どうして…あまりに可哀想だ。
「ほんまに、ごめんなぁ？
手術して絶対治すからな！これ、約束やで。」
遠慮がちに、私の頭に彼の手が置かれ、ぽんぽんされる。
それから、視線が重なると彼はニッと歯を見せて、
私の髪をわしゃわしゃする。
「だはは、ヤマンバみたいや(笑)」
悪戯っぽい笑顔を浮かべて私の頭を指さす。
私は涙の残った瞳で彼を睨んだ。
同時に、愛しく思った。
「おれの髪もヤマンバにしてみい(笑)
もうすぐ治療でツルッパゲなってまうからなぁ！ほれ！」
笑顔でよくもそんな切ないことを言うなぁと頭を抱えながら
私につむじを見せる彼に、同じようにしてやった。
「女の子に頭撫でてもろたんの初めてやわ。
なんや…母性を感じた(笑)」
彼の笑顔と意味のわからないコメントで
すっかり重たい雰囲気は消えていた。
重岡さんにはすごい力があるもんだなと感心してしまった。
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それから、熱のせいか少し怠そうにしている彼に
寝るように言うと横になって、とろんとした目で私を見つめる。
「昨日、来うへんかったやんかぁ。寂しかったで？」
そんなことを言われると、舞い上がってしまうじゃないですか、と
私は視線を外して密かに頬を染めた。
「…毎日行くなんて言ってませんよ？」
「…毎日来いなんて言うてへんよ？」
「寂しかったって言ったじゃないですか。」
「ほぼ毎日来てくれはったのに数日来うへんと寂しいと思ってまうよ、そりゃ(笑)」
「それって、ただ単に誰かに居てほしいってことですか。」
「Aちゃんはほんまに物をバッサリ言うなぁ！
…ちゃうわ。Aちゃんに、来てほしいねん、おれは。」
この流れは！？と脈打つ胸の鼓動。
顔には出さまいと平静を保とうとするけど、
彼には見透かされているだろうか。
彼は、私を見て、また悪戯っぽく笑った。
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カキピー。(プロフ) - らーさぁさん» 覚えてて下さったとか光栄すぎて……(T-T)はい！らーさぁさんの作品楽しみにしています！笑執筆活動頑張ります！ありがとうございます！レス遅れてすみません！ (2016年7月20日 5時) (
レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
らーさぁ(プロフ) - カキピー。さん» わわわ！！勿論覚えてますよ！お久しぶりです。そんな風に仰っていただけて光栄です…ありがとうございます( ；∀；)これからもお互い執筆頑張りましょう！またことぴさんのほうにもお邪魔させてもらいますね(・ω・)ノ (2016年7月16日 8時) (レス) id: cac586eb2c (このIDを非表示/違反報告)
カキピー。(プロフ) - らーさぁさん。覚えているでしょうか。改名してしまいましたが、二階堂君の「祈り」を読み、らーさぁ様にハマった者（旧jyanikotopi）です。このお話が凄く大好きです。やはりらーさぁさんは私の神、です←黙)))更新、頑張って下さい！ (2016年7月16日 4時) (レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らーさぁ | 作者ホームページ：http://kit2-love
作成日時：2016年6月15日 1時
