#18 ページ18
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朝日が瞼の奥に差し込んで目を覚ます。
なんて乱れた姿。
昨夜のことならもちろん覚えている。
私は、契約に溺れてしまった、正真正銘の“ばか”だ。
起き上がってベッドから離れようとすると
小さく寝言を洩らしながら腕を掴まれる。
「……駄目なん…？」
どんな夢を見ているのだろう。
苦しそうにも、また、幸せそうにも見える。
私は、契約ではあるものの、
代償を欲しがってしまったみだらな自分を
恥ずかしく、情けなく思いながら
昨夜の彼の顔も声も感触も一旦は忘れてやるんだという気持ちで
ベッドに眠る彼の手を振り払い、服を着て、
トートバッグを持って、早々にそこを出た。
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まだ、授業まで時間があった。
大学の近くで朝食でも食べようかと裏道に入る。
パンケーキか、TKGか、牛丼か。
昨夜を忘れるには何を食べたらいいだろう。
パンケーキ。
彼の甘い香水のにおいに似ているから却下。
TKG。
今日は口の中にとろとろしたものを含みたくないから却下。
牛丼。
朝には重たいけど、まぁ良い。
ということでサラリーマンと男子大学生に混ざり、牛丼屋へ。
カウンター席で頬張る。
朝の牛丼屋はなんだかむさくるしくなくて、
むしろ、爽やかだ。
「おれにも一口ちょーうだいっ。」
聞き慣れた声が右耳に入る。
「小瀧！びっくりしたぁ。」
「A、朝から牛丼？女子力ねぇなあ(笑)」
「知ってまーす。」
小瀧はTKGを食べている。
私のどんぶりをキラキラした目で見ている。
「そんなに食べたそうにしてるなら牛丼頼めば良かったのに。」
「おれは誰かさんとは違って体に気ぃ遣っとるんやぞ。」
正面にいる定年間際のようなサラリーマンが
こちらをあたたかい目で見ている。
恐らく、カップルだと思われている。
そんなんじゃないですよ、と目で答える。
小瀧が、恋人だったら。
…想像できないものだ、いつも近くにいるのに。
やはり、この関係がちょうど良いのだと思う。
なんてことを考えていたらいつのまにかどんぶりには肉汁の染みた
白米だけが残されていた。
「！？」
「ねぼすけの体を心配して食ったった。」
「…心配ご無用！！返してよお肉！」
「体内なう。」
「も〜百円ちょうだいよ？」
「え、百円でええの？やっさし〜い(笑)」
「むかつくから千円」
「おかしない！？それ！！」
牛丼のおかげというよりかは、
小瀧と、肉汁の染みた白米のおかげで
昨夜のことはすっかり頭の隅っこだ。
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カキピー。(プロフ) - らーさぁさん» 覚えてて下さったとか光栄すぎて……(T-T)はい！らーさぁさんの作品楽しみにしています！笑執筆活動頑張ります！ありがとうございます！レス遅れてすみません！ (2016年7月20日 5時) (
レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
らーさぁ(プロフ) - カキピー。さん» わわわ！！勿論覚えてますよ！お久しぶりです。そんな風に仰っていただけて光栄です…ありがとうございます( ；∀；)これからもお互い執筆頑張りましょう！またことぴさんのほうにもお邪魔させてもらいますね(・ω・)ノ (2016年7月16日 8時) (レス) id: cac586eb2c (このIDを非表示/違反報告)
カキピー。(プロフ) - らーさぁさん。覚えているでしょうか。改名してしまいましたが、二階堂君の「祈り」を読み、らーさぁ様にハマった者（旧jyanikotopi）です。このお話が凄く大好きです。やはりらーさぁさんは私の神、です←黙)))更新、頑張って下さい！ (2016年7月16日 4時) (レス) id: da9b62ff0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らーさぁ | 作者ホームページ：http://kit2-love
作成日時：2016年6月15日 1時
