葉っぱが10枚 ページ31
あれから数日。
林ちゃんは凄い頻繁に私の家に来てはきっくんやキヨくん、繚乱さん達と戯れては帰るを繰り返した。
最初は緊張し過ぎで林ちゃんが大変な事になってたけど、徐々に慣れていき、今じゃ私と喋るぐらい明るく、元気に皆と会話している。
そして、今日も。
「お邪魔します!!」
「いらっしゃい林ちゃん!」
「あれ?きぃ君は?」
「きぃなら今実況中!」
「あ!じゃあ、静かにしないとまずいね。」
「んー、物音は気をつけないといけない時もあるけど大体大丈夫だよ!きぃもきぃなりに気を使って、部屋を大改造して音が漏れないように、入らないようにしてくれてるから。」
「流石きぃ君!!Aちゃんの為なら何でもするね!!」
「確かに!……あ!林ちゃんご飯食べって!今日はオムライスなんだ!」
「わぁお!じゃあ、ご馳走になります!手伝う事ある?」
「あー…じゃあ、卵割って、混ぜてくれる?」
「勿論!」
2人並んで台所で調理。
いつもはきぃが隣だから感覚が新鮮。
だが、そこで事件は起きる。
「……ったぁ…」
オムライスに入れるウィンナーを切ってたら指を少し深めに切ってしまった。
「わぁ!!!!!Aちゃん!!!えっとえっと、絆創膏どこ?!」
「あぁ、大丈夫大丈夫。慌てないで。指切っただけだから。」
林ちゃんにそう言い、私は救急箱を出し、絆創膏を貼る。
…さっき視界がぼやけて、手がよろけたんだよなー……
仕事でも立ちくらみとかあったし…
こりゃ、ちょっと休まないと倒れるパターンだ。
「ごめん林ちゃん。ちょっと休ませて。」
「うんうん!!休みな休みな!!!」
「有難う。」
そう言って私はソファーに座る。
すると、役目を終えた林ちゃんもソファーに座った。
無音の部屋の中、2人で休憩もつまらないのでテレビをつけた。
ドーン!ドーン!!ドーン!!!
「うわぁ!!花火だ!!!」
「花火見たの久しぶりだなー…」
「Aちゃん見た事あるの?」
「んー…あるけど、数回かな。しかも全部家からとかテレビとか写真とか。生は危ないからダメって。」
「そっか……」
落ち込んだ声で言った林ちゃんがチラッとカレンダーを見て、猛スピードでスマホを手に取り、何かを検索し始めた。
それから数分。
「…Aちゃん!!!花火大会行こうよ!!!」
「花火大会…?凄いの?それ。」
「凄いに決まってるじゃん!!ね!!きぃ君もきっくんさん達も皆誘って!私達は有給使って!行こう!!」
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作者名:心奏 | 作成日時:2018年6月1日 10時