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「智様。」
ふわり、と何処からか降りてきたのは9尾のカズ。
彼は妖でいつも俺の傍にいる。
ふわふわの毛並みを撫でると、気持ちよさそうに目を細める。
「カズ、翔のこと見てきてくれた？」
この屋敷の人達は妖を嫌う。
カズは気配を隠すのが得意らしくよく屋敷の中をウロウロしてる。
「…潤が傍にいたのであまり近寄れなかったんですけど。」
潤は翔の眷属だ。
それを知ったのはカズのおかげで。
「私は、あんな翔様見てられません。」
尻尾をくるりと回したカズは目を開き俺を見る。
「…俺もだよ。」
双子として産まれた俺と翔。
けれどこの屋敷では子供は一人と決められていて。
昔から妖と話していた翔は、それを屋敷の人達に見つかり隠された。
俺は翔がどこに居るのかカズが教えてくれるまで知らなかった。
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作者名：Sora | 作成日時：2019年5月23日 21時
