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月が綺麗ですね。 ページ1
「あ、満月。」
その声に振り向くと。
窓からジッと外を見る彼の姿。
手に持っていた筆を置いて彼の元へ行く。
「ほんとだ。」
真っ暗な空に明るく光る月。
「…綺麗。」
そう言いながら眺める彼の横顔を見ながら、
お前の方が綺麗だ、なんて心の中で呟く。
「…智くん、覚えてる？」
「なにが？」
「俺に告白してくれた時、言ってくれた言葉。」
視線はいつの間にか俺に向いていて。
バチッと目が合って、それが何故か恥ずかしくなって逸らす。
「…なんだっけなぁ。」
「えぇ。覚えてないの？」
なんでー、と唇を尖らしてそう言う彼の唇に、
ふっと触れるだけのキスをする。
途端に真っ赤になる彼。
「…なっ、なにしてんの！」
「ふふ。顔、真っ赤。」
もう、と怒る彼から離れて再び絵を描く。
彼は俺についてくることなく窓の外に視線を戻した。
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作者名：Sora | 作成日時：2019年5月23日 21時
