恋は透明に輝く (ページ26)

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「片付けてないから恥ずかしいけど、どうぞ」

自宅に着いて、招き入れた紫耀は廉の家に来た時と同じ様に周りを見渡した。
そんな見られるとただでさえ恥ずかしいのに余計恥ずかしくなる。

「あんまり見ないでね」

「え、あ、ごめん」

「そうだ、シャワー使いなよ」

「いいの？」

紫耀の問い掛けに二つ返事で「いいよ」と返した後、ﾊﾞｽﾀｵﾙとたまたま置いてあった廉の服を手渡した。

「これ、廉の？」

「うん、サイズ同じくらいでしょ？」

「そうだけどいいのかな」

「大丈夫だよ」

正直紫耀に廉の物を貸すのは私もまずいかなって迷ったけど、裸で居てもらうのはもっとまずいから押し付けるように渡した。

しばらくしてシャワーの水音が部屋に聞こえてきた。
その音に緊張が解けて適当な部屋着にでも着替えようと思っていたのに
少し迷って結局、廉に見せるようなちゃんとした部屋着を選んだ。

「シャワーありがとう」

「どういたしまして」

それからしばらくして雨風が強まって外の音がテレビの音や会話の声より大きくなってきて
徐々に警戒していた雷の音も近づいてきたような気もする。

「雷、怖い？」

「う、うん。ちょっとね」

「そっかそっか。でも大丈夫だよ」

いつもは紫耀の大丈夫ので安心出来るのにピカッと目を焼き付けるように明るく空が光ったから、思わず紫耀にしがみついていた。

「ご、ごめん…ね」

震える声で言葉を紡いだ瞬間、地鳴りで体が揺れるほどの大きな雷の音に紫耀の胸板に顔を埋めた。