恋は透明に輝く (ページ20)

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自然と紫耀が隣に座って、夕日を眺める彼は同じ飲み物を口にしている。

「いただきます」

「はい、どうぞ」

冷えたそれを口にすると、無意識に出たしゃっくり。
この癖なのか自然現象なのかわからないしゃっくりは炭酸飲料を飲むと
必ず小さい頃から出て
最近はそれが恥ずかしくて人前で飲まないようにしてたんだけど
紫耀の前だと何故か自然体でいられてこの癖を忘れていた。

「ハハ、それまだ治ってなかったんだ」

「うん、恥ずかしいよね」

「そうかな？俺はそれ可愛いと思うけど」

なんの意識もなくそんな事言う紫耀にまた心臓が痛くなって
次第に鼻の奥がツンと痛くなってきた。

「ごっ、ごめん変な事言っちゃった？！」

「え…？」

頬に違和感を感じて触れると手が濡れていて、そこでやっと自分が泣いていることに気が付いた。

ねぇ、紫耀。
なんでこんなにもあなたを見ると涙が溢れてしまうと思う？

少しでもいいから教えて欲しい。

「紫耀…」

「ん？」

どうしてあの日、抱きしめてくれたの…？

「おーい、Aと紫耀！」

廉の声がして、ハッと現実の世界に引き戻された気がした。
慌てて拭った涙に廉は気づいていないみたいで
白い歯を見せて笑う彼に合わせて笑顔を作る。

「廉、どうしたの？」

「ふたりに話があって急いで仕事終わらせてきた」

「俺に話？」

「おん、海やっぱり行こう、3人で」

「え、いいの？」

「紫耀もAも行きたがってんのに行かん意味がないやん」

廉はそう言うと、いつもの柔らかい笑顔を私に向けた。