恋は透明に輝く (ページ17)

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「え、海？」

「そう、行きたい！勿論廉も一緒に」

出勤したら紫耀はもう図書館に居て、駆け寄ってきたと思ったら突拍子もない誘いに驚いたけど
紫耀の手に持っている雑誌の表紙には海が描かれていて
そういう事かって納得出来た。

海、廉も好きだし誘ったら喜ぶかな。

「いいよ、廉にも聞いてみるね」

「やった！Aありがとう」

「どういたしまして」

子供みたいにはしゃぐ紫耀につられて笑ってる自分がいてそれからは忙しくなって紫耀とは話せなかったけど。海。私も楽しみになってた。

ー

「海？紫耀が言うてたん？」

「うん、行きたいんだって、無理そう？」

「Aは行きたいん？海とか苦手やん」

「苦手だけど、行きたいかな」

廉に電話で今日の話をしたら、受話器越しに何故かうーんって唸っている。
付き合ってからやりたい事もして欲しい事も叶えてくれてた廉がここまで渋るなんて
予想外の態度に何故か申し訳なく思った。

「廉、ごめん、嫌だったら…」

「それは紫耀が行きたいって言ったから？」

私の言葉を遮って問い掛けられた言葉にドキンと心臓が大きく脈を打った。
なんで、悪い事しちゃった。みたいな気持ちになってるのか分からない。

「いややっぱええよ。行こう」

「廉…」

「ごめん、深い意味はないねんで」

「うん、でもやっぱり海は断っておくね」

その後ちょっと気まずくなって早々に「おやすみ」で切った通話。
ボブっとベッドに倒れ込んで枕に顔を埋める。

もう自分が分からないよ…