刀剣男士と刀剣女士結婚するってよ【刀剣乱舞】3

本丸百十二話 ページ17

猫が鳴いた瞬間 体がゆっくりと軽くなった

手の震えが止まり 体の力がだんだん抜けていった


「ニャッ…！」

朱鞘「なっ……どういうことですかっ……！！」



菊一文字「…本当に…助けてくれたんだね…黒猫ちゃん………」

「にゃぁ〜」



黒猫は透き通った蒼い眼を細めて美しく優しく鳴いた






菊一文字「朱鞘、君が主である証が今 解けたようだけど これでも僕の主は君なのかい？」

朱鞘「っ…………菊一文字様っ…それなら雪様がどうなっても良いのですかっ…？」

瑞樹「！……雪…？」

朱鞘「雪様は政府の病院にいらっしゃいますよね？………その気になれば役人に殺してもらう事なんて容易いのですよ…？」

小狐丸「貴様っ………！！」

菊一文字「それなら僕だって 貴方をすぐにでも殺す事が出来る。」







朱鞘「…っ……………どうして…どうして…どうしてっ！！







折角……貴方を折ってまで…手に入れた…のに………っ！！」

瑞樹「あぁ…………あの時…僕らの本丸に時間遡行軍を送り込んだのは…君だったんだね………」

朱鞘「えぇっ…そうですよっ…！
菊一文字は霊力が高くて この世界に一振りだけしか顕現できない……

だから時間遡行軍に菊一文字様を折らせてっ…

私の霊力を全て使って菊一文字様を顕現したのですっ…！！それなのにっ」

菊一文字「僕は此処に来て 凄く苦しかった…」

朱鞘「…っ………………」

菊一文字「物の様に玩具の様に扱われて 人には言えない様な事だって沢山あって………っ…

小狐丸や皆にっ……会いたくてっ……寂しくて…怖くて…哀しくて………っ！」


必死に堪えていた涙が溢れてきた



朱鞘「それが……なんです…？私は貴方が欲しい、それで良いではありませんか…。」

菊一文字「…っ君のそう言うところ………僕はとてつもなく大嫌いだよっ！！」

出てくる涙を振り払い本体を握り直して目の前に居る朱鞘を睨んだ


瑞樹「菊っ！ダメっ殺したらっ…！！」

菊一文字「さぁっ！僕と勝負しようかっ……！！」


オッドアイの両目が殺意を帯びて光った
















朱鞘「…っっ………………」












次の瞬間 バタッと音をたてて朱鞘が倒れる光景が目に入った














菊一文字「安心しなよ 峰打ちにしたから…気絶しただけ………」


瑞樹「はっ………はぁっ…………ははっ…びっくりさせ…ないで…下さい……っ」

暁人「うぅっ…心臓に悪い………」

菊一文字「…………………………………」

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