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嬉々とする者、退屈する者、必死な者達 ページ30

「なに…!包丁だと…!」

あたしの言葉を聞いて、アリスが驚いたように言った。それに対してケイジが頷く。

「そう、サラちゃんと調べたときにはもう無かった。何者かが持ち去ったんだろうねー」

するとカイが、調理室にはずっと鍵が掛かっていた為、サラが単独行動したわずかな時間では包丁は手に入れることが出来ない、と弁明した。

「なに落ち着いてんのよ!?誰よ、誰が包丁を…!」

アリスはそう言った。彼は声を荒げたと思ったら、すぐに怯えの色が滲んだ声色へと変わった。

「それは今関係ありません!」

スパッと言い退ける彼女に、「関係ないワケ…!!」とムキになったアリスだったが、「大事なのは私が武器を独占していないということ!決して力によって得た信頼ではありません!!」

とサラに続けて言われ、圧倒されたのか 「もう喋らない」と言い、本当に黙ってしまった。

その態度…子供か。

アリスが黙ってしまったことにより、議論はまた少し止まった。

やがて、Q太郎が口を開いた。

これまでの探索で足手まといや力不足を感じた、カンナ、ギン、ナオの三人の名前をあげた。
勿論、投票候補の…だ。

子供の名前まであげるなんて、非道だと言う人もいるかもしれないが、彼は我が道を行く、という所や強い覚悟から行動する為、むしろあたしはその発言に対し「彼らしい」という感想を持った。

しかし、レコが「ふざけんなテメー!!」と声を荒げて言った。

「ちょっと力があるからって自分は選ばれねーとでも思ってんのかよ!!」

「ならオレに投票すればええがや!!」

「なっ…!!」

思いもよらなかったであろう返答に、彼女は戸惑っていたが、それに続けてQ太郎が自身にぶつけてきた言葉を受け止め、名前のあがった三人に自分の言葉でお前達の価値を証明しろと訴えかけた。

「アツい展開だね」

大好きな皆が懸命に討論している姿。仲間達を守ろうと、頑張って呼び掛ける姿。覚悟を決めて進んでいき、やがて成長していく皆…これほど嬉しいものはない。

嬉々として椅子に座る彼女に話しかけたが、少し退屈そうにしており、返答も無かったので、視線を皆へ戻した。

多分、ホエミーの事だから、あたしと違ってこんな胸アツ展開は好きじゃないんだろう。

レコの言葉を受けて、ナオが必死に弁明していた。ちゃんと探索をして、色々見つけた、と言っている。

「か…カンナは…」

カンナは、そこまで言って口をつぐんだ。そんな彼女の様子を、ソウはじっと見つめている。

少女の本音か、はたまた嘘か→←疑って、疑われて



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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです!更新頑張って下さい! (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春雨 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月23日 11時

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