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失言 ページ25

「ホエミーが?…もう 此処に!?」

サラが驚いたように言った。

「うん、治療終わったんだって。…と、その箱、此方にくれる?」

サラに応答しながら手をすっと出す。
しかし、ケイジは箱を拾い上げたものの此方に渡す様子がない。

「悪いけど今渡す訳にはいかないんだよねー」

首痛ポーズで言うケイジに、「あ、じゃあもう貴方が持ってて良いよ。だから早く出て欲しいかな」
と、まるで居てはいけないのだというような失言をしてしまった。

勿論、サラは失言に反応した。

「なあ、なんかお前急いでないか?どうにも様子がおかしい」
不審な物を見るような目をされ、たじろぐ。

「そうニャン!!すっごい怪しいワン!!」

え、どうしよう。流石に皆の目の前で通路を開ける訳にはいかない。
かと言って、無理に追い出すにしてもサラ、ギンまではいけてもケイジは無理だ。

え、と…うーん。あ、そ、そうだ!!

「そ、そう。急いでるの!!さっき酒場の二人の様子がおかしかったの。なんかヒソヒソしてたし!!」

「酒場の二人って…ソウさんとカンナ?」

サラがまた不審な物を見るように、私を見つめた。しかし、先程より目つきが心なしか柔らかくなっている。

「ただ単に敵である君に聞かれないようにしてたじゃないの?」

ケイジがそう言ったので、「でも、そんな大事な話なら私の目の前でしないでしょ。」と言うと、彼は「まあそうか」と漏らした。

「でもコイツ嘘かもしれないワン」

「いや、確かにそうだが…一応行くだけ行こうか」

「ケイジさん!?」

心配そうに言うギンにケイジがそう言うと、サラが驚きの声を上げた。

「カンナちゃんが少し心配だからね。…ただしデア、あまりにも参加者同士の仲を裂くような真似をし過ぎたならば、君もマズい事になるだろう。

そこの所、ちゃんと考えておくべきと思うけど。」

ケイジは怪しむような目でボクを見た後、「行くよー」とサラとギンに呼びかけ、箱を持ったままドアを開けて出ていった。

その後を、慌ててサラとギンが付いていく。

「…嘘は、ついてないよ。」

カンナちゃんに、それは依存だと諭した時も、今も。

彼はあの時酒場で私が言った愛と依存の事を、誰かに聞いたのだろうか。

そんな事を考えながら大急ぎで鍵をかけ、通路を開けた。

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春雨(プロフ) - ましゅ2。さん» コメントありがとうございます!!楽しんで頂けて光栄です!! (2019年6月30日 19時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ2。(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!夢主ちゃん可愛いですし、お話大好きです!更新頑張って下さい! (2019年6月30日 15時) (レス) id: 39489186ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春雨 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月23日 11時

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