4話、第一次蕎麦うどん戦争 ページ5
『たっだいま〜』
ガラガラと引き戸を開けて、誰もいないであろう家の中に入る
お父さんとお姉ちゃんは仕事だろう。焦凍は何処にいるのかわからないけれど大方鍛錬でもしているんじゃないかな。
我が弟ながら本当に真面目なやつだ
お腹すいたなー、うどん茹でて食べようかな…
なんて考えながら自分の部屋に入って、バサバサと制服を脱ぎ部屋着に着替える
完全にオフモードだ
そしてそのまま台所に向かい鍋をコンロにかける
今日はちょっと暑かったからざるうどんがいいな
うどんを取り出そうとしたところで、家の中に入ってきた焦凍と鉢合わせた
『お疲れ様ー疲れたでしょ、今日はうどんね』
汗をかいているところを見ると、やっぱり鍛錬だったみたいだ
焦「ああ…うどんはもう茹でたのか？」
『いや、まだだけど？』
焦「じゃあ、蕎麦がいい」
唐突なリクエスト
『ええ⁉私うどんがいい！うどんの方がもちもちしてて美味しいじゃんか！てか作るの私だし、ネギも多めに添えるから今日はうどんにしようよ』
可愛い弟の頼みだけど、その時私の体はもうすでにうどんしか求めていなかった
焦「何言ってんだ。蕎麦の方がいいに決まってる。それに今日は蕎麦に合わせるために惣菜屋の天ぷらを買ってきた」
台所の隅にあった白い袋を指差しながら断固とした姿勢で言った。入ってきた時から気になっていたけどそういうことだったのか！
『天ぷらだと⁉天ぷらうどんいいな…』
焦「天ぷら買ってきたのは俺だから、うどんにするなら天ぷらはやらねぇ」
きっぱりとした口調で言われる
くっ、こいつやな奴だ…。蕎麦というか好きなものに関してはとことん貪欲だ
天ぷら…うどん…天ぷら…うどん…天ぷら…天ぷら
『蕎麦茹でます…』
焦「よし、勝った。シャワー浴びてくる。ネギも多めで」
どさくさに紛れて注文を一個増やしてお風呂に消えた弟と、天ぷらという強力なカードを切られ、あっけなく敗北した自分にため息をついた
「いただきます」
ちょうど茹で終わって、盛り付け終わる頃にシャワーから出てきた焦凍と向かい合って居間の卓袱台に座り手を合わせ、食べ始める
ちょうどそこでお姉ちゃんが帰ってきた
冬「ただいまー、わっ今日蕎麦⁉天ぷらも付いてる。珍しいAが夕食作る日に蕎麦なんて…」
『蕎麦とうどんの仁義なき戦いは、天ぷらという最終兵器を前に蕎麦の完全勝利に終わったのだった』
冬「え？何言ってるの…」
焦「さあな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 599人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優麻(プロフ) - ミリオの苗字間違ってますよ。通方じゃなくて通形です。 (2018年5月6日 17時) (
レス) id: 05acb75a96 (このIDを非表示/違反報告)
めも。(プロフ) - ロウバイさん» うおおご馳走様でした……！特に天喰くん！めっちゃ良かったです！これからロウバイ先生とお呼びしてもいいですか！ (2018年4月15日 22時) (レス) id: 01fe185b4f (このIDを非表示/違反報告)
ロウバイ(プロフ) - めも。さん» リクエストありがとうございました！うまくかけたかどうかは分かりませんか書いてみました！ (2018年4月15日 22時) (レス) id: 6d85eae488 (このIDを非表示/違反報告)
めも。(プロフ) - この作品大好きです！ファンです。リクで轟くんといちゃいちゃしなきゃ出られない部屋とかその天喰くんバージョンとかお願いします！とにかく轟くんと天喰くんとの絡みがみたいです。 (2018年4月15日 19時) (レス) id: 01fe185b4f (このIDを非表示/違反報告)
ショタ大好き-望*@こたぬき(プロフ) - すごく面白いです！！これからも更新頑張ってください！ (2018年4月10日 0時) (レス) id: 33d5e2312d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロウバイ | 作成日時：2018年3月27日 16時
