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探偵さん ページ2

「べ、別に見たくて見てた訳じゃないですから!」
少し大きな声になれば、男はまた顔をしかめた。
「まぁ、いいですけど、此方にどうぞ。」
と、部屋の中央にあるこれまた豪華な椅子へと、促された。
机の上にはお客様用である、お菓子が置いてあった。
「アルバイト、希望でしたっけ?」
頭を掻きながら、面倒くさそうにする。
この人、誰にたいしてもそうなのだろうか。
と、考えていれば、男は私に名刺を渡してきた。
「あけち…さら、さん??」
私は名刺を見た後に、素早く顔をあげて相手を見た。
沙羅、男。
「名前で、男か女か判断するもんじゃないですよ。」
私の考えていることが分かったのか、明智さんはそんなことをいった。
「明智って、江戸川乱歩の小説にでてくる、明智小五郎みたいですね。」
と、明るく言う。どうにか明智さんと会話をしようと試みた。
「あ、貴方のような方でも江戸川乱歩見るんですね。」
なんて、意外だ、とでも言うような顔をされた。
色々と腹立つが、此処は冷静に。
もう一度辺りを見回すと、先程は明智さんの顔しか見ていなかったので、気付かなかったが、部屋の壁一面、本で埋め尽くされていた。
「全部、推理小説ですよ。」
驚いていたらそう、声を掛けられた。
確かに、よくよくみるとエドガー・アラン・ポオに、アガサ・クリスティ、江戸川乱歩、様々な推理小説作家のものがあった。
「推理小説、好きなんですか?」
「どうでもいいでしょう、それよりも貴方の名刺下さい。」
話を切られれば、また少しイラッとする。
名刺を手渡せば、相手はそれを見つめた。
「静那ね……名前と違って、静かじゃないんですね。」
馬鹿にされた。恥ずかしくなって、それを隠そうと、
「アルバイト!! 面接とかしないんですか!」
と、声を荒げた。
「採用でいいですよ、人手足りないんで。」
「え?」
こんなにもあっさり承諾して貰えると思っていなかったものだから、思わず間抜けな声がでてしまった。
「俺だけで動くより、貴方がいた方が楽になりそうですし。」
此処に名前書いて、と、紙を渡しながら明智さんは言う。
楽そうって……。
げんなりしながら、紙に名前を書く。
「これから宜しく御願いします、小林静那さん。」
少しだけ笑った明智さんの顔に、私は不覚にもどきっとしてしまった。

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群青色の五月雨(プロフ) - ワシ子さん» はぁああ!!有難う御座います、!!もう褒めていただけるとか嬉しすぎて禿げます()頑張って書いていこうと思うのでこれからも見て頂ければ幸いです、(ぺこぺこ、 (2017年7月11日 16時) (レス) id: 1ef9df73cb (このIDを非表示/違反報告)
ワシ子(プロフ) - これすごい好きです! 頑張ってください!! (2017年7月9日 9時) (レス) id: 0c4ba9284d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:群青色の五月雨 | 作成日時:2017年6月17日 18時

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