プロローグ ページ1
夏の日差しに目を細める。
まだ夏の初めだと言うのに、この暑さには気が滅入る。
爽やかな風が唯一の救いだ。
訳あって私、小林静那(こばやしせな)は、とある探偵事務所を訪れることになった。
今は、その探偵事務所の前に居るわけだが……。
「大きい…。」
探偵事務所なのに、無駄に大きい。
これが所謂(いわゆる)豪邸と言うのだろう。
本当に此処が、噂の探偵事務所なのか不安になり、辺りを暫くうろうろしていた。
と言うか、『探偵事務所』と、看板は出ているのだが、こんな豪邸に入るのは恐れおおかった。
私は諦めてその豪邸の庭らしき所に足を踏み入れ、チャイムを鳴らした。
……出てこない。
留守、なのだろうか、でも看板が出ている。
そう思い、もう一度チャイムを鳴らす。
まぁ、出てこないのだが。
まさか扉が開いてるなんてことはないよね。
そう思って扉を押してみると、豪邸らしく扉が音を開けて開くわけで。
無用心だ。
色々と驚かされながら中に入ると、中もだだっ広い。
貧乏性の私にはこれだけで胸焼けを起こしそうだった。
何処に行けばいいのだろうと、玄関でたちすくんでいると、紙に書いてある下手くそな矢印が目に入った。
此方に行けってことかな、と思い、大広間的な場所にある階段を上がっていけば、『探偵事務所』と書かれた札が掛かっている部屋を見つけた。
扉を開ける、大きな窓の縁に男の人が座っているのが見える。
光で反射しよく見えないのだが。
「嗚呼、御客ですか??」
面倒そうにしながら、その男は私に近づいてきた。
「あ、その、アルバイト、希望なんですけど。」
身長180くらいあるのだろうか、すらっとしている。
右の目になきぼくろがあり、癖毛か、寝癖か分からないが、黒い髪はふわふわと風に揺られていた。
凄い、これがイケメンと言うものか。
と感心していれば、男は如何にも迷惑だと言うように
「人の顔じろじろ見るのは、良くないと思いますよ。」
と、いい放った。
第一印象は、最悪だ。
そんな探偵さんは、割と現実主義らしい。
5人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
群青色の五月雨(プロフ) - ワシ子さん» はぁああ!!有難う御座います、!!もう褒めていただけるとか嬉しすぎて禿げます()頑張って書いていこうと思うのでこれからも見て頂ければ幸いです、(ぺこぺこ、 (2017年7月11日 16時) (レス) id: 1ef9df73cb (このIDを非表示/違反報告)
ワシ子(プロフ) - これすごい好きです! 頑張ってください!! (2017年7月9日 9時) (レス) id: 0c4ba9284d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:群青色の五月雨 | 作成日時:2017年6月17日 18時