過保護のミツコ 2

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北山宏光side

なんか、夜に会うって変な気持ち。

いつもより少しだけ、ほんの少しだけ、近くにいる感じがする。

「…太輔くんは片思いしたことある？」
「そりゃ、まあ、あるよ？」
「楽しかった？」
「いや、楽しくなかった。」
「..へ？」
「叶わないもん。」

叶わないもん。

そんなふうに弱いところを見るのは初めてかもしれない。

でも、不覚にもそんな太輔くんの片思いがひろならいいのにって思ってしまう。

「…幼なじみだったんだ。」
「うん。」
「ずっと好きだった。」
「そっか。」
「赤絵具」
「え？」
「お前が拾ってくれただろ？」
「うん、」
「あれ、そいつから貰ったんだ。」
「そうなんだ、」
「こんな話してごめん。」

そう言った横顔が泣きそうで、そんな顔みたくなくて。

「ねぇ、太輔くん。」
「ん？」



「片思いって辛いね」

太輔くんもひろも。

もう好きじゃないのかもしれない。
でも、今でも思い出して泣きそうになるって、それだけ好きだったんだよね。

好きな人の辛い表情見たくないって言うよりも、太輔くんが悲しい思いをしてるのを、ひろはどうにも出来ないことが辛いよ。

太輔くんにはもっと笑っててほしい。

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