BORDER LiNE (ページ1)

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03/20 21:18 ページ1

どうしてだかはわからないけど、私の周りには頭がいい人が多かった。
父親はとある有名な大学出身だったし、小学校の頃仲の良かった友達は中学受験をして有名な私立中学へ進学した。
初めてお付き合いをした彼は、県下トップの高校へ進学するほどの秀才だったし、バイト先で出会った人たちも、私でもわかるような頭のいい大学の人たちが何人もいた。

かくいう私は、昔から勉強なんで苦手…というか、嫌いだったし、そりゃあ人並みに、テスト勉強や受験はしたけれど、お世辞にも頭が良いとは言えない。
それでもごく普通の(勉強においては中の下かも)人生を送ってきたつもりだ。

なにかやりたいことがあったわけでもなく、周りに流されるように高校・大学へと進学し、
今では立派なごく普通のOLとなったわけだが。

(…思い返すと、なんだかとっても虚しいな。)

会社からかの帰り道、同僚の送別会でいつもよりも遅く乗った電車の中で私は不意に、今までのの自分の人生を思い返していた。
出会いと別れのある季節。今まで出会ってきたたくさんの人たちは、いったい今は何をしているのだろう…そんなことを考えていると、気が付けば電車は最寄り駅のホームへ滑り込んでいた。

送別会、歓迎会のシーズンも手伝って、金曜日の割と遅い時間の駅はいつにもまして賑やかだった。
社会人や大学生っぽい集団があちこちで輪になって、もう帰るか、2次会へ流れるか、相談をしているようだった。

(あれ、なんか、あの人…見たことある気がするな。)

なんとなく、見覚えのある集団というか。
いや、全員は知らないけど、どっかで見たことがあるような、そんな大学生っぽい集団が、こちらも、そろそろ解散にしようかだの話しているのが目に入った。…といっても、通り際に目に入っただけなので、だからと言って何があるわけでもないのだけど。

(いいなあ若いって……さ、帰ろ帰ろ。)

こうして、私の一週間は終わるのだった。