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現場に行ってからは、納得する状態ではなかったが、結論からいえばアジト壊滅に成功した。
「首謀者確保に、その他余罪の追求…っと、さすが公安警察ですね。」
「何を言いますか。司令官という立場でありながら、先頭切って現場に突入するMI6の捜査官も初めてお目にかかりましたよ。」
首元をコキコキと鳴らしながら、日本の警察を賞賛してたら、後ろから嫌味たっぷりの降谷さんの声が聞こえた。
何がともあれ、入国して２日で解決したんだ。
報告書等々をまとめたら即刻日本を去ろう。このくそ面倒くさい元彼ともおさらばだ。
・・・おさらば、か。
そう思うと心臓が締め付けられるようになるくらいには彼がまだ好き。でも、彼が私に会いたかったのはきっと情報のため。私自身ではない。そんな利用にもう二度と振り回されないって決めたんだ。彼への思いは口にはしないと。
「A、聞いているのか？」
「はっ？えっ？なんですか？」
「…今日、時間あるか？」
あ、私の好きなあの瞳。
じっと見つめる私の顔が映るほど澄んだ蒼。
ずっと見ていたくなるのを抑えて、スッと目線をずらした。
「すみません。捜査が終了したので、報告書等々をまとめて早々とイギリスに帰りたいので、お時間は作れません。」
「・・・それは上からの指示か？」
「えっ？いや、違いますけど…」
「じゃあ、問題ないな。今日は体を労わるためにも飯ついて来い。」
「・・・お断りします。」
２人きりじゃないとは思う。思うけど…この人との記憶を増やせば増やすほど私の心が悲鳴を上げる。それをこの人は分かっていない。
私がまだあなたを想っている、なんて−−−−
そんな事を思いながらブブッと通知を知らせた携帯をポケットから出して確認しようとしたら
グイッ
「っ！！ちょっっと！！！」
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作者名：kgymk | 作成日時：2019年11月27日 17時
