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ー翌日ー


このホテルは任務が終わるまで住居として使わせてもらう。その為、服やら日用品を使い勝手のいいように室内をカスタマイズした。
「早めに帰りたいけど…仕方ないよね。」

室内で軽い朝食を作る。この部屋は簡易キッチンもあるから助かる。
手短にコーヒーとトーストを用意して、テレビをつける。米花町ではありふれているのか殺人事件のニュースが流れていた。

朝食を食べ終わってスーツに着替える。今日も今日とて会いたくない彼に会う。
何が楽しいのか、今日からほとんどの日を彼と過ごすことになる。

「憂鬱・・・なんて、いいながら」

顔は少しうれしそうに微笑む。私はエムだったっけ?嫌いだって頭の中では言っているのに、本能は素直だ。好きの人の近くに居れる幸せを噛み締めている。
軽く両頬を叩いて気合を入れてから、ホテルを出た。


「A乗れ。」
ホテルを出たすぐのところには彼が車で待っていた。

「は?」
思わず素が出た私はきっと悪くない。だって彼の横には彼の部下である風見さんがいる。わたしを下の名前で呼んだことに風見さんは少しだけ信じられないようなものを見たような顔をした。

「…降谷さ、」

助手席の扉を開けて、ややこちらを睨んで

「聞こえなかったのか。乗れ、A。」

説明は後だ。とでも言いたいのか、何も喋ることを許してもらえないまま、仕方なく降谷さんの乗ってきたRX-7に乗り込む。
助手席に座りたくない私は後部座席に黙って座ろうとしたのに、風見さんに助手席を譲らされてしまった。
全くもって嬉しくないわ!!なんて思いながら、助手席に座った瞬間、車が動き出した。

「アジトを張ってるメンバーから連絡がきた。動きがあったそうだ。」

「はっ!?じゃあ、連絡してくれればいいじゃないですか!?」

「おれがお前を迎えに行きたかっただけだ。」

「っ!!////」

部下である風見さんがいるのをお構いなしに言い放つ彼に、赤くなりそうになった顔を抑えて深呼吸する。

「公私混同も甚だしいわ。風見さん、でしたっけ?部下でも注意するべきですよ。」

「風見は関係ないだろう。」

「うるさいわね。上司の身勝手は部下の負担になんのよ。」

「ははっ、そうか。」

私との言い合いの何が楽しかったのか急に笑い出した彼に少しまたドキッとさせられながらも、持ってきたPCと睨めっこする。
風見さんが何か言いたそうな顔をしていたけどそこはあえて無視をさせていただこう。






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作者名:kgymk | 作成日時:2019年11月27日 17時

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