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14(降谷目線) ページ15

「はぁ…」


叩かれた頬を軽く抑えながらため息を吐く。
どうにも慎重に動こうとしても出来なくなる。
彼女の前だと。


「これで、よく公安が務まるな。」


乾いた笑いで自分を責める。
出会ったのは3年前。上司の指示で出会って、2年間偽りの恋人関係を続けて、上司の指示のまま彼女を傷つけた。


俺は任務成功となったが、逆を言えば彼女は失態を犯してイギリスへと強制帰国となった。それが1年前。


まさか、この任務の責任者として日本へ来ると思っていなかった。
だからこそ、こんなまたとないチャンス逃してたまるか。と思い、管理官に彼女を留める許可をもらった。結果はすんなりOK。上が何を考えててもいい。だが、今回を逃したら次は来ない。彼女を2度と手に入れれなくなる。



「本気でオトしてみせる。か…」



自信満々に言ったはいいが、正直自信などない。
彼女が今俺に対してどう思っているかなんて、分からないからだ。


仕事でハニトラをかけることには抵抗はないのに、自分が本気で好きな女に対してこんなに憶病になるなんて思ってもいなかった。


それでも、彼女以外いない。彼女以外好きになれない。
だからこそ、


「あぁ、そろそろポアロに行く準備をしなくてはな…」


今日は今からポアロだ。蘭さん達に新作ケーキの感想を聞かなくては。なんて思いながら、彼女をポアロに呼び出すことは出来ないか考えていた。


「我ながらずる賢いかもしれないが…」


ずる賢くてもいい。なんて言われてもいい。


「それだけお前が好きなんだよ。A…」




.

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作者名:kgymk | 作成日時:2019年11月27日 17時

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