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そのまま何も言わずに平手打ちをかまして、部屋を出る。
振り回されてるという感情よりも、嬉しさが先に来て顔が真っ赤になってる事を分かっていてもこの赤面は収めることが出来なかった。
「戻りました。」
「A捜査官、あれ?顔真っ赤ですよ?大丈夫ですか?」
「えぇ。大丈夫です。」
彼が戻ってくる間に落ち着かせよう。
そう思って自分がさっきまでつかっていた席に座る。先ほど風見さんから勝手に奪った残りの書類を手にして、PCと睨みあっこを始めた。
そんな状態の私を見ながら遠慮したように一人の捜査官が声をかけてきた。
「A捜査官。本当に大丈夫ですか?」
「あ、田中捜査官。ありがとうございます。大丈夫ですよ。」
「降谷さんって厳しいのでよく勘違いされるんですが、今回は本当にA捜査官のお陰ってのもあるので、もう少し捜査に協力していただけると…」
「…えぇ。そのつもりです。」
今年入ったばっかりと聞いた、田中捜査官は私より年も若いし、何といっても女性なのに彼に憧れて入ってきた彼の後輩。
仲良くできるものなんてないな…なんて考えながら話していたら
「A捜査官は…」
「はい?」
「降谷さんのこと、どう思っていますか?」
PCに目線を戻そうとしながら流し聞いていたせいか、流し込んでいた珈琲が音を立てて喉を通る音がした。
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作者名:kgymk | 作成日時:2019年11月27日 17時