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強がり下手*シンタロー ページ4

シ「はぁ・・・」

ストレスで俺は息が詰まる思いだった。

貴「ほら!シンタロー先に行っちゃうよ?」

彼女はその街の中で、明らかに浮いていた。

その端正な容姿からなのか、はたまたはっきりしないその赤い目の能力なのか。

どちらにしろ、彼女が周囲の好奇の目に晒されていることが俺には耐えられなかった。

シ「はぁ・・・」

俺はまた盛大にため息をついた。

貴「雑誌でいい感じのカフェと雑貨屋さん見つけたんだ〜!」

自信たっぷりの笑顔を見せると俺の腕をグイグイと引く。

貴「ねぇ、聞いてる?」

シ「・・・ん?あ、ああ」

なんとなく気づいているのだ。

俺は。

Aが悩んでいることに。

シ「やっぱり、今日は帰ろう。」

その言葉を聞くなり、今度はAは不満そうな表情を浮かべた。

貴「えー・・・・なんで」

シ「なんでも、だ」

外に出るのはやっぱり良くない。

出るならせめてキドがいなくては。

貴「うーん・・・お昼ご飯だけ食べて帰ろうよ」

シ「ああ」

――

シ「A、嫌にならないのか?こんな・・・」

俺の言葉にAはサンドイッチを口に運ぶのをやめた。

貴「嫌に決まってんでしょ」

シ「じゃあなんで」

自分から外に出ようとするのか。

続きは出なかった。

けれどもAは俺の言いたいことを察したようで、

貴「でも、シンタローとなら外に出てもいいかなって思えるから」

そう言うと手に持っていたサンドイッチを頬張った。

シ「・・・・それは理由になるのかよ」

納得がいかない。

いくわけがなかった。

今もAには多くの視線が集まっているのに。

Aを傷つける闇が渦巻いているのに。

肩が震えるのを抑え、Aを見る。

貴「シンタローに心配されて、嫌な気分じゃないけど、そういう顔見るのは嫌だな」

ぽつりと言った。

貴「これ食べたら帰るんだから、いつものシンタローに戻ってよ」

シ「ッ・・・・ああ」

こういうときだけ、本当にAはずるい。

甘えるように、すがるように俺を見て。

Aの本当の弱音を、まだ俺は聞いたことがないのに。

それでも俺は強がって笑ってみせた。

シ「ほら、早く食えよ。帰ったら遊んでやるから」

貴「・・・ちょっと意味がわからないですね虐げられてあげるの間違いじゃないデスかー?」

俺の思いを汲み取るようにAもふざけかえす。

残念だけど、帰っても遊ぶ気はない。

ましてや虐げられてやるつもりも。

今度は、救ってみせる。

隠し物*セト(バレンタイン)→←君の後ろ姿*セト



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ヒーナー - シンタローヤバイっすね(ハァハァ こんなのかけるひとマジ尊敬します!!!! (2015年2月10日 17時) (レス) id: 6db8963cca (このIDを非表示/違反報告)
ナイト - 初めまして、最初から全部読みました!とっても面白かったです!(^_^) リクなのですがセトの甘甘で夢主が盲目設定でお願いします! (2014年4月28日 19時) (レス) id: f67e4b6780 (このIDを非表示/違反報告)
†風魔†(携帯) - 更新大変遅くなってしまいました!!しかし作者は入試に合格しましたので!!!これから大急ぎで更新いたします!長い間お待たせして申し訳ありませんでした!!!! (2014年3月25日 1時) (レス) id: e02fabb00f (このIDを非表示/違反報告)
*ぱぴこ*(プロフ) - 相変わらずの甘甘で・・・// ホワイトデー版もありますよねっ!?フヒヒヒヒヒ((( (2014年2月27日 23時) (レス) id: 0ec05e36b3 (このIDを非表示/違反報告)
†風魔†@受験生(携帯) - キリカさん» ありがとうございます!暇さえあれば小説のネタを考えているので思ってたよりいっぱい更新できてますwww (2014年2月3日 1時) (レス) id: e02fabb00f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:†風魔† | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maria/  
作成日時:2014年1月30日 7時

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