僕らが一番欲しい言葉② (ページ8)

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そうして私たちは無事家に帰りついた。

リト君をリビングに座らせて、怪我を手当した。

usm「い゛っ…」

『我慢して、傷残っちゃうから…』

usm「大丈夫だって、こんなんすぐ治るから！な？」

『…リト君』

私のせいで怪我させてしまったのに、心配かけないようにそう言ってくれるリト君に心が締め付けられた。

usm「…分かったよ、ほれ！」

と、顔をつき出すリト君に、ごめんねと小さく謝った。

手当てが終わって、私達は5人でカレーを囲んだ。

皆「いっただっきまーす！！！」

akg「Aちゃんカレー美味すぎ〜！」

hbc「ほんまそれ！何杯でも食えそう」

sik「毎日カレーでもいい！俺！」

usm「じゃあテツはこれからずっとカレーな？俺らは他にもAお手製料理食べとくから」

sik「え！？そ、それは話が違うじゃん！リト君！！！」

ずりぃよ〜！！！と叫んでるイッテツ君と、それを見て笑ってる皆。

今となってはすっかり慣れてしまったこの光景。

お父さんの目の前ではただただ耐えるのに必死で、何も思い出せなかった。

今思えば、私はお父さんに縛られて縛られて生きてきたんだなと感じた。

イッテツ君に連れられてこの家に来た時、私はきっと死ぬ手前だっただろう。

この家に来てなかったらきっと、私はこんな感情を知らないまま消えていた。

世の中にはこんなにも暖かい毎日があって、守りたい毎日があって、忘れたくない日々があるんだ。

私は、このかけがえのない毎日を握りしめて前に進むことをきめた。

『みんな、私を助けてくれてありがとう』

そう言うと皆はきらきらな笑顔で「おう！」と返事をしてくれた。