サバイバル訓練5 ページ10
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「ねぇ水澄さん」
「なんですか」
「最近、何かあった？」
再び落ち着いたトーンになったミッドナイト先生は、暖かな眼差しで私を見下ろす。
私が「何もないです」と言えば、それ以上は言及してこなさそうな、それでいて話すことを求めてくるような目。
私はそれが苦手だ。
「……轟くんと、別れました」
「……そっか」
「あと、かっちゃん……爆豪くんに告白されました」
「そう…………って、え！？ イケメンツートップに好かれる水澄さん！ もだもだとする三角関係！ これぞ青臭い青春！！
あ、う、うん。ごめんね。爆豪くん、そんなイメージなくて」
一瞬、素の調子に戻ったミッドナイト先生だったけど、咳払いひとつで落ち着いた雰囲気に戻る。
どうにかこうにか私の相談にのろうとする、ヒーローにありがち、お節介な姿勢。
普段なら苦手なそれに付き合うことなく、適当にはぐらかし終わるのだけれど、私は風邪で少しだけ、弱っていたらしい。
「私もそんなイメージ無かったんで大丈夫ですよ」
「あら、そう……？」
「轟くんもそういうタイプだと思ってなかったし、轟くんと別れた直後にかっちゃんに告白されるなんて思ってなかったんです。むしろ、二人とも何で私なんだろう。ってずっとモヤモヤして……」
ヒーロー科には、私よりも可愛くて性格がいい子がいっぱいいる。
きっと他学科にも、そういった子は沢山いるだろう。
それなのに、どうして私なんだろう。
本当はこの世界に存在しなくて、あと四年半以内には、必ず死んでしまうのに。
「それは確かに難しい問題よね」
「ですよね……」
「ただ二人とも、水澄さんが好きで、水澄さんと一緒にいたかったのよ」
「私、あと＿＿＿＿＿」
四年半では死ぬんですよ。
そう言いかけたのをグッと堪えて、代わりの言葉を探す。
「ミッドナイト先生」
「なーに？」
「死ぬのは、怖いですか？」
「……えぇ。死ぬのが怖くなくなったら、それはきっと良くないことよ。
それに、終わりがあるからこそ今が美しくて、かけがえのないものになるんじゃないかしら。
いっぱい悩んで、水澄さんの納得する答えを探せばいいと思うわ」
｢……そうですね｣
いっぱい悩む時間は、果たして私に残されているのか。
それでもミッドナイト先生の言葉は、どこか心に残るものだった。
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華々宮(プロフ) - 紫月さん» ありがとうございます〜！！ 最後まで頑張ります！ (2021年5月23日 18時) (
レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - *紅_あか*さん» コメントありがとうございます〜！ 悲しいけど楽しみと言って貰えて嬉しいです。頑張ります！！ (2021年5月23日 18時) (レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - おおおおっ続きが楽しみです！ワクワク！最終章、頑張ってください (2021年5月23日 15時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
*紅_あか* - うどおおおおおああおおおん！！？！？めっちゃ楽しみじゃけ………最終章…悲しいけど、楽しみだな (2021年5月22日 23時) (レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - さくさくパンダさん» コメントありがとうございます！！ もちろん！ イラスト大歓迎です！！ そのお言葉だけでも嬉しくて心がいっぱいです。ありがとうございます。 (2021年5月19日 13時) (レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華々宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmy_novel/
作成日時：2021年4月2日 22時
