サバイバル訓練8 ページ13
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「何？」
「背中をお拭きしてもよろしいですか？」
「いや、申し訳ないしいいよ」
「ですがその、拭きにくいですよね？」
「……まぁ、うん。……お願いしてもいい？」
ぼんやり立ったままだったヤオモモに、タオルを裏返して手渡す。
お願いしてもいい？ という私の言葉に、ヤオモモは嬉しそうに頬を緩ませた。
服がまくられ、肌が外気に触れる。
冷静に考えれば、ヤオモモに肌を拭いてもらうなんて、やっぱり無理。恥ずかしすぎる。
「ごめん、八百万さん」
「どうかされました？」
頼ってもらえたことを喜ぶようにぷりぷりとしているヤオモモを見て、断ることはできず。
「何でもない」と呟いて、心を無にすることにした。
「あの、水澄さん」
「ん？」
「実は私、水澄さんに謝りたいことがありましたの」
「……え？」
ヤオモモは、あまり看病などを行ったことがなく、本当は梅雨ちゃんが看病に来るはずだったと明かす。
しかし話したいことがあるからと、梅雨ちゃんの代わりにやってきたのだとか。
「先日のことですわ。轟さんとの関係に私が口を挟んでしまったこと、非常に申し訳なかったですわ」
「……いいよ、あれは。八百万さんの気持ちも分かるし。むしろ私の方こそ、」
「ですがあの日の夜、爆豪さんと水澄さんが話した後から、水澄さんはずっと体調が悪そうでしたわ。おまけに今日、私はかばって貰い、その後水澄さんが倒れて……」
ヤオモモの声がどんどん力のないものになり、僅かに嗚咽を殺すような音が聞こえてくる。
泣いてしまうほどにヤオモモの負担になっていたこと、そのことが、どうしようもなく辛かった。
「水澄さんと轟さんが仲良さげにしている様子が、私は非常に好きでした。きっと2人なら、これから先も仲良く、2人で立派なヒーローになるのだと思ってましたわ」
｢……そうかな｣
｢どんな水澄さんでも、立派なヒーローになれるはずなのに、轟さんと一緒にいる事がベストだと思ってましたの。押し付けてしまって申し訳ないですわ」
｢……大丈夫。私こそ、冷たい言い方しちゃってごめんね｣
轟くんの事は、いくらヤオモモに謝られたって仕方がない。あれは私が悪かった、ただそれだけの話だ。
｢ねぇ八百万さん、泣かないで｣
｢っ、はい。こんな私でも、仲直りしてくださいますか？｣
｢…………｣
返事が出来ずに、ただ押し黙る。
それでもヤオモモは、肯定と受け取ったらしい。
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華々宮(プロフ) - 紫月さん» ありがとうございます〜！！ 最後まで頑張ります！ (2021年5月23日 18時) (
レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - *紅_あか*さん» コメントありがとうございます〜！ 悲しいけど楽しみと言って貰えて嬉しいです。頑張ります！！ (2021年5月23日 18時) (レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - おおおおっ続きが楽しみです！ワクワク！最終章、頑張ってください (2021年5月23日 15時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
*紅_あか* - うどおおおおおああおおおん！！？！？めっちゃ楽しみじゃけ………最終章…悲しいけど、楽しみだな (2021年5月22日 23時) (レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - さくさくパンダさん» コメントありがとうございます！！ もちろん！ イラスト大歓迎です！！ そのお言葉だけでも嬉しくて心がいっぱいです。ありがとうございます。 (2021年5月19日 13時) (レス) id: 0ab44a4a8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華々宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmy_novel/
作成日時：2021年4月2日 22時
