4.どうやら、5年以内に死ぬらしい。【ヒロアカ】 (ページ34)

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保須事件2 ページ34

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夕飯は、澪さんお手製のスパイスカレーだ。

「近くにスパイスが安くで手に入るお店があるんだけどね、試しに作ってみたら、本当に楽しくてさぁ……すっかり沼にハマってしまったよ」

キッチンの一角に置いてあるガラス張りの棚を開き、澪さんは嬉しそうに笑う。

色とりどりのスパイスがこれでもかというほどに陳列され、お店みたいだ。

「この四つを使います！これはね、百均でも買えるから、Aちゃんでも簡単に試せるよ！！」

「レシピ聞いてもいいですか？」

「もちろん！なんなら小瓶あるから、お裾分けしちゃう！」

張り切る澪さんに、お裾分けは善処させてもらった。

一人暮らしの雄英生に、カレーをスパイスから作る時間はほとんどない。

それでもレシピを聞いておくのは、半年以内にやってくるであろう寮生活に向けて。

今まで色々助けてくれたかっちゃんへのお礼と、皆でカレーパーティーをしたら楽しそう。という思いからだ。

「コリアンダーとクミン、ターメリックとレッドペッパー、この四つが基本ね」

私がメモ用の携帯を取りにいく間に、澪さんは基本の4つの瓶を取り出す。

ラベルの上に貼られた英語をそのまま入力し、瓶を元の位置へ戻した。

「私の場合は、みじん切りした玉ねぎを炒めたあと、水を入れてトマト缶とニンニクで味を調節、最後にスパイスを入れて完成。って感じかな」

澪さんは、慣れた手つきで匙を使い、ただの粉だったスパイスは、それらしいカレーになっている。

市販のルウで作るカレーとは全く違う、なんとも言えない香りが鼻腔をくすぐり、私と澪さんのお腹が同時になった。

「あはは。少し早いけど、夕食にしよっか。食器出してくれる？」

「はい！！」

澪さんに背を向け、食器棚に手をかける。
カレーだから深めのお皿だよね。

それらしいお皿を取り出そうとした時、花火のような衝撃音が鳴り響いた。

「……何事？」

澪さんは味の最終調節をする手を止め、ベランダから外に出て、周囲を見渡す。

私は食器を取り出すのをやめ、澪さんを追いかけた。

黒煙が上がる方向は、飯田くんのいる保須市。

「出動要請はまだだけど、とりあえず行こう。カレーは冷めても美味しいからね」

「はい！」