4.どうやら、5年以内に死ぬらしい。【ヒロアカ】 (ページ33)

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保須事件1 ページ33

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職場体験、三日目。
今日は確か、保須事件が起こる日だ。

妙に胸騒ぎがするせいで、パトロールや仕事に身が入らない。

幸い、特に事件が起こらなかったため良かったけれど、幼稚園の園児たちに求められたファンサに、即座に対応ができずに悲しませてしまった。

「今日は帰ろっか」

「……すみません」

いつもより早めにパトロールを切り上げ、日がまだ高いうちに事務所へと戻ることになった。

私の元気のなさが、慣れない職場体験のせいだと案じたらしい澪さんは、パトロールの帰りに商店街の和菓子屋へ立ち寄る。

「ここの葛餅が美味しいんだよ」

「葛餅……ですか」

「もしかしてアクアちゃん苦手？」

澪さんに顔を覗き込まれ、私は首を横に振る。

「すみません、6こ入り1つと、4つ入り2つ、願いしてもいいですか？」

「え、めちゃくちゃ好きじゃん」

驚く澪さんに、曖昧に微笑んで返した。

別に私がめちゃくちゃ葛餅好きなわけではなくて、やっぱり保須に行きたくない私から、保須事件に関わる路地裏組へのお疲れさまの気持ちだ。

綺麗に施してもらったラッピングを大切に持ちながら事務所へと戻り、私たちは早めの夕飯の支度をする。

「今日の仕事は終わりだろうから、Aちゃんは先にお風呂済ませていいよ」

「んー、でも、夕飯作りのお手伝いしたいです」

「本当？疲れてるなら言ってよ」

「大丈夫ですよ」

風呂に入ったとしても、また汗をかくことになるのだから。なんて言えるはずもなく、私は玉ねぎの皮を剥き、刃を入れる。

「……目が」

「あらら、しみちゃったか」