4.どうやら、5年以内に死ぬらしい。【ヒロアカ】 (ページ25)

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職場体験2 ページ25

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「すっげーワクワクすんな！な！！！」

コスチュームを抱き寄せたり、窓の外を眺めたり、とにかく落ち着かない切島くんは満面の笑みでそう言った。

私とヤオモモは、そんな切島くんをみて微笑ましく思いながら、ヒーロー近代史の一問一答を行なっていた。

「職場体験の時くらい、勉強なんて忘れてもいいんじゃねー？」

そう突っ込んだのは瀬呂くんだ。
そんな瀬呂くんに「職場体験が終わったらすぐ中間テストだよ」と返す。

皆はある程度知識があるのかもしれないが、私はほぼゼロなのだ。二回行われた小テストでは、ギリギリ補習を逃れるくらいの成績である。

普通教科だって勉強しないといけないから、全く持って余裕はない。

「瀬呂くんも切島くんもやろ！」

「「えぇ……」」

「最下位の人、ジュースおごりね。参加しなかったら問答無用でおごり」

「「乗った！！」」

いや、乗るんかい。

あっさりと引き受けてくれた二人にびっくりしながら、ヤオモモの綺麗な声から発せられる問題に耳を傾ける。

全50問。
僅差での勝負は、途中参加の飯田くんが優勝、最下位は瀬呂くんだった。

＿＿＿＿

「あ、私、そろそろ乗り換えだ」

「水澄くんもか」

一問一答勝負で調子を戻した飯田くんと、荷物の再確認をする。

「気を付けろよ！！」

「うん、皆も気をつけて」

それから席を立って、私たちは皆に手を振り新幹線を降りた。

「飯田くんは保須だっけ？何番線？」

「2番線だ。水澄くんは？」

「私も2番線」

乗り換えの電車も同じで、通勤ラッシュが終わり人の少ない電車に揺られながら、ステインの話題に触れないように会話をした。

「水澄くんはどこに行くんだ？」

「ここ」

聞き覚えのない&読めない地名だったために、プリントアウトしてきた地図を見せる。

「二駅隣だな」

「……え？」

「俺が降りる駅の二駅先だ」

「……もしかして、保須？」

「いや、隣接している町だな。何か問題でもあるのか？」

知らない地名だと思ったからここにしたのに、隣接する市町村だというまさかのオチ。

水個性だから、保須で火事が起こった時に、緊急要請が入るかもしれない。

「どうしよう……」

「大丈夫か？水澄くん？」

「だ、大丈夫……」

グッバイ、私の平和な職場体験。