4.どうやら、5年以内に死ぬらしい。【ヒロアカ】 (ページ21)

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流転3 ページ21

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私の読み通り、英語の小テストは行われた。ヤオモモに対策を手伝ってもらったから、きっといい結果に違いない。

前の席で項垂れている葉隠ちゃんに声をかけ、昼食に向かうために立ち上がる。

「水澄、食堂だよな」

「そうだよ」

「一緒に行かないか」

しかし私が葉隠ちゃんに声をかける前に、轟くんから声をかけられてしまった。

「……そうだね、いこっか」

私は葉隠ちゃんに一声かけて、轟くんと共に食堂へと向かった。

食堂までの移動の間、私たちの間には一切会話がなかった。

私たちの間に流れる音は、周りの話し声と雨音だけ。
それで十分のような気もするけれど、横に立つ轟くんは、どうにか言葉を探している。

「轟くんはさ、職場体験どこにいくか決めた？」

「……親父のところに行こうと思っている。水澄は？」

「私は、澪事務所ってところ。水系の個性らしくて、使い方とか勉強できると思ったの」

「なるほどな。でも、水澄の個性の使い方は上手いと思う」

「本当？轟くんに言ってもらえると嬉しいな」

「俺はまだ、左の使い方に慣れてねぇ。それに同時に使えるようにならねぇと」

お互いの個性について、どうするべきかと語り合っているうちに食堂へつき、一緒に蕎麦を注文して席につく。
ランチラッシュ先生に「仲良しだねぇ」と指摘されたことにびっくりしていると、轟くんが「昨日から付き合うことになったんです」と返事をしたから、近くにいた生徒を発端に、食堂中に私たちの関係が広まってしまった。

「轟くん、すごいことになってるよ」

「……なんか、すまねぇ」

「まぁ、いずれこうなってたかもしれないし、とりあえず食べよっか」

「あぁ」

温かくない蕎麦は、完全に冷え切ってしまった。
ずそー。という効果音と共に蕎麦をすすりながら、再び個性についての議論を交わし合った。