告白4 ページ13
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「……ですよね」
ちょっぴり寂しそうに笑った玉響くんだけれど、まるで分かっていたような口ぶりだ。
「少し、質問いいですか」
「はい」
「彼氏か、好きな人はいるんですか？」
いない、けど。
じゃあそれが出来るまで。
なんて流れになるのは避けたいところ。
玉響くんを傷つけることなく上手く切り返す方法を模索していると、かっちゃんが屋内へと入ってきた。
「水澄、どうかしたのか」
しかし声をかけてきたのは、かっちゃんでも玉響くんでもない。
本当、毎度いいタイミングでやってくるね。
「とっ、どろきくんに、爆豪くん……昨日のニュース、本当だったんだ……」
「あ？」
「昨日のニュース？」
かっちゃんが顔を顰めて、轟くんが首を傾げるのも気にせず、玉響くんは何やら一人納得していた。
「あの、水澄さん。友達はダメですか？」
「……それくらいなら」
私なりの精一杯の譲歩をし、玉響くんと連絡先を交換する。
ちょっと寂しそうな表情を浮かべた玉響くんは、「連絡します」と一言告げ去っていき、私とかっちゃん、轟くんが残された。
「何しとんだ」
「告白されてた……？」
「なんだ、水澄もか」
怒りの籠ったかっちゃんの声に疑問詞をつけて返事をすると、轟くんから意外な横槍が入る。
水澄も。って、轟くんがまだ帰っていない理由、告白されてたからなんだ……
「おい水女、行くぞ」
「あっ、うん」
かっちゃんに急かされ、私は傘をさす。
急かされてるのは分かるけど、かっちゃんの表情は傘で全く見えない。
「待ってくれ、爆豪、水澄」
轟くんは少し慌てて靴を取り出し、かっちゃん、私、と横並びになる。
私が真ん中だと、かっちゃんと轟くんの耳辺りに傘が当たる気がして心配だ。
「着いてくんじゃねえ！ 舐めプ！」
「帰り道がこっちなんだ。それに、水澄に聞きたいことがある」
「明日にしろや！」
「別に質問くらいいいんじゃ……」
「ああ？！」
轟くんには申し訳ないけど、急に怒り始めたかっちゃんを抑えるのは大変なんだよね。
悪いけど明日、と私が提案するよりも、轟くんが口を開く方が少し早かった。
「水澄が告白を断った理由ってなんだ？」
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作者名：華々宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmy_novel/
作成日時：2020年10月20日 15時
