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新しいものだけが溢れた居心地の悪い空間で、ごろりと寝転がる。
正直、除籍にされたかった。
そうしたら、母に見限られて、帰る場所が無くなってしまうだろうけど。
ヒーローを目指さなくてはならない生活から解放される。
キラキラとした皆の中で、一人惨めに思うことも無くなる。
だから、正直除籍にされたかった。
寮生活では、よりヒーローとして向き合う時間が増える。
明日からは、仮免取得に向けてさらに厳しくなるだろう。
「……やっていけるかな」
無理だ。って言ったら、どうなるのかな。
そんなことを言う勇気なんてこれっぽちも無いのに考える。
そうやって考えている時間だけは、心が落ち着くんだ。
・
「Aちゃーん」
ずっと物思いに耽っていたら、急に麗日ちゃんの声がした。
けれど、居心地の悪い部屋に麗日ちゃんの姿はない。
きっと、ドアの向こう側から声をかけたのだ。
開けっ放しのカーテンから差し込んでいたはずの光が無くなり、外は暗くなっている。
そうか。いつの間にか、夜になってしまったんだ。
「焼肉、始まるよー」
と、今度は葉隠ちゃんの声がする。
焼肉は確か、あの爆豪くんが、暗視鏡代として切島くんに渡したお金でするんだっけ。
爆豪くんを救出するために、きっと小遣いやお年玉から削ったのだろう。
爆豪くんが狙われていると知った時、私は動きたくないと思った。
緑谷くんたちのお見舞いにも行かなかった。
そんな私が、切島くんと爆豪くんが用意したはずのお金で行われる焼肉に、参加していいはずがない。
部屋のドアを開けると、眩しくて目が眩んだ。
「……ごめん、荷解きで疲れちゃったから今日休む」
「……そっか、そうなんや。大丈夫？」
「お大事に！ 何かあったらすぐ連絡してね！」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
上手く前を向けない目を伏せて、ドアを閉める。
カーテンの向こう側の薄暗さの方が、私には合っている気がした。
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あ - 下記の報告コメですが、筆者と作品名がでているので、確認済みであればコメントは削除した方がいいと思います。あちらの作品の方が投稿日時は先ですし、ご迷惑だと思います… (5月28日 9時) (
レス) @page18 id: fcf33eebc1 (このIDを非表示/違反報告)
夢見(プロフ) - 了解です！役に立てて嬉しいです！頑張ってください (5月23日 17時) (レス) id: 7632ecf777 (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - 夢見さん» 返信ありがとうございます。こちらで確認させて頂きます、ご連絡頂き、本当にありがとうございます。 (5月23日 15時) (レス) id: de909e9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
華々宮(プロフ) - 夢見さん» ご連絡ありがとうございます。差し支えなければ、そちらの作品を教えて頂けないでしょうか。 (5月23日 11時) (レス) id: de909e9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
夢見(プロフ) - プリ小説の方で似ているお話を見たことあるのですが無断記載されてませんか、？ (5月22日 23時) (レス) id: 7632ecf777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華々宮 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmy_novel/
作成日時：2021年9月15日 6時
