【WT】マンホールに落ちたら指名手配されたんですが誰か無実を証明してくれ (ページ4)

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3話ページ4

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　自分に突き刺さる視線も向けられる言葉もさっぱり理解できずに本気で混乱していると、国王陛下とやらの目つきが猛禽のように鋭くなった。彼は、静かに手を挙げ、つぶやくように言う。

　「＿＿巫女殿に、清潔な衣装と暖かい食事を。そして、そこの厄災は手はず通りに。処理については追って連絡する」

　冷たい声色のその言葉に反応した人間がいた。それは、周りを取り囲んでいた黒服の中の一人で、声的にどうやら男の人であるようだった。

　「待ってください陛下、予言の書には＿＿」
　「くどい。ルブルム、貴様が予言の書と呼ぶそれは確かに此度役だった。_____しかし、それだけだ。巫女殿がこうして降臨なされた今、貴様は用済みだ。さっさとここから消えろ」

　冷たい声でそれだけ言うと、老人は美少女と数人の黒服を伴って部屋から出て行ってしまった。後に残されたルブルム？と呼ばれた人も、しばらく動きを止め、そしてそこから出て行った。

　残された私が一体何だったんだろう、と1人首を捻っていると、不意に「おい」という低い声と共に、横にいた黒服たちに乱暴に手を引っ張られ、立ち上がらされる。そして、何か言う前に首筋に鋭い痛みが走った。

　_______あ、もしかしてこれが手刀で気絶させられるってやつ？

　そう気づいた頃には、私は鉄格子の中にいたのである。

♢ ♢ ♢

　「______いやいやいやいや！？何なんですか撮影ですか！？冗談止めてください！出してー！ここから出しなさーい！！」

　気づいたら放り込まれていた、薄暗く、微かにジメジメしている部屋___地下牢？の中で流石に焦りながら鉄格子の扉を揺する。しかし鍵が開く気配も鉄格子が壊れる気配も、誰かが来る気配すらないままだった。

　冷たい石造りの廊下に、ガチャガチャという音が響いて、やがて消えていく。それは私の叫び声についても同様で、どうやら完全無視を決め込まれているらしいとわかると、何だってのよ！という悪態と共に一度鉄格子を蹴った。足が痛くなっただけに終わった。

　_______一体全体何が起きているというのだろう。

　

　マンホールに落ちたはずが、気づけばあまりにリアルな作りの牢屋の中だ。これが一般人を巻き込んだ撮影とかだったら許されない。訴えたら勝てそうだ。

　むしろ訴えてやる！と怒りながら、しかし鍵も開かないし誰もいないしでどうしようもない。そう思ったところで、今度は怒りではなくじんわりとした不安が胸に広がった。