22話 ページ23
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「吸……血鬼？ ……というと、ええと……あの、人の血を吸ったり朝が苦手だったりする……？」
吸血鬼のイメージを思い浮かべながら言えば、彼は頷いて
「異世界にも吸血鬼はいるんだな」
「私の世界では空想上の怪異として語り継がれているものですけど……」
「概ねその認識で間違いない。生き物の血を糧に生き、日の光と十字架に弱く、人を魅了する力を持っている存在だ。この世界では、空想ではなく本当にいるが」
「その方が、吸血鬼なんですか？」
「厳密に言うと違う。似て非なるものというか……そうだな、人間もどきはわかるか？」
言葉から想像することはできるが、全然知らない言葉だったので首を振る。そうすると、人間もどきというのは、と彼が説明してくれた。
「簡単に言えば、ヒトならざるものの性質や能力を受け継いだ人間のことだ。そいつの場合は、基本的には人間だが、生き物の血を飲まないと死ぬ性質や、夜目がよく効く性質、後は……そうだな、魅了の力も持ってたはずだ。でも、普通の吸血鬼と違って日の光は大丈夫だし、教会に行っても何も問題はない」
「な、なるほど……？」
要するにそれは、吸血鬼と人間のハーフ……みたいなことなんだろうか、と思っていると、
「ただし、人間もどきは本来の存在よりも力が弱く、そしてその分力を制御できずに理性を失うことが多い」
「……と、いうと？」
「つまり、本来の吸血鬼よりも能力は低いが、その分しつこくなるってことだ。本来の吸血鬼はほとんど人と変わらない知性を持つし、普通は必要以上に血を吸ったり人間を襲うことはない。けど、そいつは人間もどきだから、一回目をつけられるとどこまでも追いかけられて血を吸い尽くされる」
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作者名：ホロスコープ | 作成日時：2022年5月4日 16時
