20話 ページ21
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昔々。まだ世界に国が存在していないほど遠い昔。
この世界は邪竜・アンフィスバエナと、その邪竜の遣いである闇の巫女によって支配されていました。
邪竜は人々を恐怖で支配していました。当時の空は、その恐怖を映したように真っ黒で、海は炭を溶かした水のような色でした。邪竜とその巫女は闇をこよなく愛しておりましたから、その世界は一匹と一人にとって大変住みやすいものでした。
邪竜はとても大きくて、高い高い山の上に住んでいましたので、その言葉は巫女を通じて人々に伝えられました。要求は無理難題ばかりで、人々は次第に倒れていきました。
そんなある日、人々の前に転機が訪れました。暗い暗い世界に、一人の美しい少女が現れたのです。少女は、神様によって天の国から遣わされたのだと言いました。そして、神様のお言葉を、預言として人々に与えました。
『今から一年後、6色の石が選んだ者によって、邪竜はその身を封じられることでしょう』
彼女の言葉通り、それから一年後に本当に邪竜は倒され、地下の奥深くに封印されました。それを行った6人は、6色の美しい宝石が枕元に現れたのだという6人でした。
邪竜がいなくなったことで、世界には青空と青い海が戻り、人々はずっと楽しく暮らせるようになりました。
ところで、預言をした少女は光の巫女と呼ばれ、それからしばらくの間人々と共に暮らしていました。ところがある日、彼女は邪竜を倒され世界の支配権を奪われたことに怒った闇の巫女に殺されてしまいます。
そして、闇の巫女は人々に呪いをかけました。それは、人を人でなくする、恐ろしい呪いでした。彼女の呪いが、世界に人間もどきを生み出したのです。
闇の巫女は、光の巫女の仲間でもあった6人によって滅ぼされました。しかし、光の巫女は死の間際に一つ預言を遺しました。
『これより500年の後、私と闇の巫女の力を持つ者が異界より表れる。1人は光でもって世界を善いものにし、1人は闇でもって世界を破滅へ導くだろう』
光の巫女が遺した言葉が、真実かどうかは誰にもわかりません。
_______『こどものためのヨーゼラの寝物語集 第�郡�、光の巫女と闇の巫女』より
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作者名：ホロスコープ | 作成日時：2022年5月4日 16時
