2,悪魔の囁き、甘い罠。さあ絶望の道へ ページ3
真っ暗な部屋。闇のうごめく部屋の中一人の女がうずくまっている。
「ハヤト、、、ハヤト、、、」
壊れたかのように光のない目で誰かの名を呟く。
彼女の瞳から涙が落ちた。
声を出すこともなくただ留めなく涙が流れ落ちていく。
震える腕を闇の中に何かを探すようにさまよわせた。
その腕に闇が生き物のように纏わり付く。
その闇に見えるナニカは、彼女に絡みつきよくわからない形容のし難いかたちを取った。
その時彼女しかいないはずの部屋にナニカの声が響いた。
『亡くしたものが恋しいか?』
『助けたいか?ちからをあたえてやろうか?』
『我らを頼るか?』
『どうするんだ?』
『お前はどうしたい?』
『お前の命を差し出すのなら』
『あの男を救ってやろう』
『さあ、どうしたい?』
男の声、女の声、高い声、低い声、様々な声が女を嘲るように言う。
彼女はその声を聞き顔を上げた。
その頬を目に溜まっていた涙が滑り落ちる。
「ボクの命、、、あげたらハヤトを、、、ハヤトを助けてくれるの?」
最後の希望に、一筋の希望にすがるように彼女は言う。
普段の彼女であればその取引の危険性も、理解し自身の意に沿わないことをされないように何かしらをしただろう。
でも今は違う。
『ああ』
『そうだ』
『助けてやろう』
変わらず声は嘲るように言う。
それに彼女は。
その甘い甘い罠に。
罠だと心の奥底では気づきながらも。
応え、手を伸ばした。
「お願いします、ハヤトを、、、、ハヤトを助けてっ!!!」
叫ぶように応えた。
その言葉にナニカは笑いながら蠢き、彼女の身体を包んだ。
暗い暗い闇の消えたその部屋にはもう何もいなかった。
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零人(プロフ) - 裏瀬さん» は、、、裏瀬ちゃん、、?見に来てくれた、、?嬉しすぎる。嬉しすぎるよぉ、、、。じゃあ、爆発させるくらい頑張って書くわ!コメントありがとね、、、。神な友人を持ってしまったなあ、、。 (2022年10月14日 22時) (レス) id: 94faa0a05d (このIDを非表示/違反報告)
裏瀬(プロフ) - これは完全に泣かせにきてる、超好き…!! 今零人くんの作品巡回しようと思ってとりあえず最初にこれ読んでみたんだけど、既にクソデカ感情が生まれてしまったからこれ以上読んだら体爆散するかもしれない…好きがとまらん…ありがとう…好き… (2022年10月14日 22時) (レス) @page11 id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
零人(プロフ) - *miiila*@最近超低浮上さん» コメントありがとうございます!作品紹介から、、見に来てくださりありがとうございます。読みやすいと言って戴けるとは、、、、!更新速度遅いですがこれからも楽しく読んでクレリと嬉しいです。コメントありがとうございました! (2022年9月6日 14時) (レス) id: 94faa0a05d (このIDを非表示/違反報告)
*miiila*@最近超低浮上(プロフ) - 初コメ失礼します!作品紹介の方から来ました!すごく面白くて、すいすい読めました!更新待ってます! (2022年9月6日 11時) (レス) @page3 id: ef1ef0b00a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kgmrit1/
作成日時:2022年9月4日 20時