30あまり6つめ。 ページ36
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『ぁ、』
上鳴の無茶苦茶な放電の後、追い討ちをかけるように足元が氷に覆われた。がく、と突然地面に固定されて、チームが傾く。
急いで個性を使おうと手を伸ばすA。が、発動を試みた瞬間、視界がぐらりと揺れた。キャパオーバー寸前。このまま意識が無くなれば、騎馬が崩れる。氷で足が固定されている今、あまりにも危険すぎた。
『……とどろき、くん、だっけ。……頭いいなあ。』
諦めなければいけないのならば仕方ない。無理やわがままで、自分ではない人に迷惑はかけられない。Aは静かに体制を整えて前を見据えた。
鉄哲も骨抜も泡瀬も、諦めていない。けれどどうにも出来ない。Aはもう一度悩む。ここが無理のしどころか。
いや、Aにとってはそうでは無かった。
『……見てればたのしいのになあ。』
動いたところで、1000万の取り合いをしている目の前の異次元さに、このメンバーで近付けるか、否。無理である。
だれも、今、Aを見てはいない。それなら、Aが個性を使う理由がなかった。興味も、ましてや楽しさすら最早なく、ただただ目の前で行われていることを眺めていた。
終盤に至る頃、飯田の奥の手によって緑谷から1000万が奪われた。取り返されたと思われるそれも、八百万の知恵で免れて、会場にカウントダウンが響く。
マイク「TIME UP！！」
順位発表では、轟チーム、爆豪チーム、心操チーム、緑谷チームが上位に入り、決勝に進出となった。
融けた氷とメンバー。ふらふらとした足取りを誤魔化すように、残念だったね、とAは笑う。鉄哲がぐ、と拳を握った。
鉄哲「わ、悪ィ……オマエポイントあったし、オレらと組まなきゃ決勝行けてたかもしんねェ、足、引っ張っちまった……」
項垂れたような声色に、Aはにこにこと首を傾げた。
『なんで謝るの？たのしかったよ、ありがとう！』
じゃあまたね、とクラスメイトの元へ駆けていくAに、鉄哲はそれ以上何も言わず、泡瀬の行こうぜ、の声に静かに頷く。Aとは反対向きに、靴の向きを変えた。
───────
─────
──
『なに、してるの……？』
サンドイッチを軽く食べて、Aは更衣室に来た。そこでは、同じA組の女子が、何やら見慣れない服に着替えていた。
芦戸「Aやっときた〜！」
葉隠「Aちゃんにも着てもらうよ！！」
耳郎「ハイ、Aの。Aだけ着ないとかナシね？」
苦笑いでAは首を傾げた。
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ちゅる(プロフ) - すごく面白くて初めて感想描いてみました、、いままで読んできた小説の中で一番設定が好きです！ (11月11日 0時) (
レス) id: aed173f286 (このIDを非表示/違反報告)
えと(プロフ) - 応援してます！ (2023年2月21日 2時) (レス) id: ee7dad60ab (このIDを非表示/違反報告)
⚪︎△ - 家での様子見てみたいです！おうえんしてます！！ (2022年12月7日 20時) (レス) id: 5a19af4b70 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - この作品一番好きです！ 応援してます！！ (2022年12月6日 22時) (レス) @page36 id: 9bac72a933 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 可愛い 好きすぎます 頑張ってください!! (2022年9月20日 17時) (レス) @page29 id: badda1f22b (このIDを非表示/違反報告)
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