とある少女と救済

15話 ページ17

私たちの電話が気になるのかチラチラ見てくる研二くんの方を見れば少し不安そうな顔をしている。

萩「陣平ちゃんなんだって？心配はいらないと思うけど爆弾は解除できた？」

『無事に解除できたみたいです、あとは降りてくるだけですね』

奏「解除できたって！？ほんとか！？」

『ひゃっ！』

急に近くで聞こえた兄の声にびくっと肩が跳ねる。そんな私を見て研二くんはくすくすと笑い兄は申し訳なさそうな顔をする。

奏「ビックリさせてごめんな、A。ところで解除できたのは本当か？」

『う、うん…いま陣平くんから電話がきてそう言ってたよ』

奏「ありがと、あいつ電話しろよな…予定の時間は過ぎたから大丈夫だとは思ってたが…報連相が足りねぇんだよ…」

なんて文句を言いながら兄は刑事の皆さんが待機をしている場所へと向かい報告をしている。


萩「報告より先にAちゃんに電話とは…」

『多分、研二くんが爆弾ちゃんと解体したか不安だったんじゃないんですか？』

萩「えぇ、俺？陣平ちゃん疑り深いなぁ」

『表にはあまり出さないけど信頼はしてると思いますけどね…』

なんて会話をしていれば爆発により制御が止まっていた観覧車が何とか動き出したのか陣平くんが降りてくる。女性の刑事さんにいきなり怒られている姿を見てつい笑ってしまったが本人にはバレていないしセーフだと思いたい。

萩「今日は陣平ちゃん、説教に報告書にとフルコースだろうから今度またゆっくり会いに来よう」

『そうですね、そうしましょう』

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