II . 引き立て役やってます！【HQ】 (ページ10)

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引き立て役が３９匹ページ10

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「すみません、少し任せてもいいですか？呼ばれたので、行ってきます！」
「いってら～」

　先輩方に洗いものを任せ、木兎先輩を探しにいく。

　あんまり仕事を押し付けたくないから、さっさと帰りたいのだけど……。
　今じゃないといけないのかなあ。

「あれっ？南ちゃんじゃーん！白鳥沢あっちにいたけどどうしたの？」
「及川先輩」

　額に汗をにじませ、チームTシャツでないジャージを着ている。
　走ってきたのかな。なら、木兎先輩のいるところも、わかるかもしれない。

「木兎先輩に呼び出されてて……。場所知ってますか？」
「梟谷のー？確か体育館近くの水道にいたかな。赤葦くんもいた気がするけど……」
「そうですか！ありがとうございます！」

　水道近くっていうことは、体育館から近く、ここからは遠い。
　…… 自分の練習第一なのはわかるけど、位置的に気遣いがあるとよかったのにな。

　私は及川先輩にお礼を言うと、外に出るべく靴箱へと向かった。

「…… 梟谷のマネージャーとのいざこざの可能性はうすいと思ったけど……。仕方ない、ウシワカに聞くか」

　及川先輩は、小声でそんなことを言ったらしい。

◎

「お待たせしてすみません、」
「おう。平気」
「いや、場所伝え忘れてゴメン」

　水道まで駆けて行くと、及川先輩の言った通り、木兎先輩と赤葦先輩がいた。
　やっぱり、いい話ではなさそう。

「それであの…… お話って、」

「…… 俺らさあ、昨日、中村がお前にコップ投げてんの見ちまったんだよ。まーお前に同情したけど、俺らには関係無いことだ。白鳥沢の問題だからな」

　なんの話だ、一体。
　というかこの人、思ったよりさっぱりしている人なんだな。他校は他校、うちはうち、って。
　白鳥沢の考え方と、少しだけ似ている。

「問題は、そのあとなんだよ」

　ぎろ、と木兎先輩は、いままで隠していた殺気を初めて私に向けた。
　うちの大エース様のお陰で見慣れてはいるけれど…… さすがに怖い。

「ちょっと、木兎さん」
「＿＿お前ら、白福と雀田泣かせただろ」

「…… は？」

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