4話 ページ5
「はーい…」
「悪い、みんなで訓練してたらぶつけて…」
そこにいたのは兄の一人。
訓練での怪我はよくある事だ。ミーナは、怪我の様子を見るために抑えている手を取った。
「なあにこれ……ただのアザじゃないの！！」
「い、いや、痛いんだって！！」
「いつもはこんなの気にしないじゃないのよ」
目を泳がせる男に、ミーナは怪しく思ったが、怪我は怪我だ。仕方なく、冷やすための氷を取りに向かった。
そのすきに。
「おい、A、大丈夫か？」
「ダメみたい……Aこのまま死んじゃうのかなぁ」
「きっ、気をしっかり持てぇえ！！」
男の目にはうっすらと涙が浮かび、慌ててAに手を伸ばそうとする。
するとそのタイミングでミーナが戻ってきた。
「はい、これ氷……」
「あ、あぁ！ありがとよ！じゃーな！」
焦って出て行く男。
ミーナは首を傾げた。
「A、あいつ何？」
「さぁ…それよりミーナぁ、A喉乾いた」
「はいはい、水ね」
そうして水を飲ませていると、またノック。
「はい、今度は誰……い、イゾウ隊長！」
「ちと怪我しちまってな……悪いが絆創膏はってもらえるかぃ？」
「は、はい！待ってください！」
そうしてミーナはバタバタと絆創膏を取りに行った。
そのすきに。
「オイ、A…しんどいかぃ？」
「イゾウぅ……Aもうダメ…死んじゃう」
「おいおい…縁起でもねえ」
イゾウは汗の張り付いた額をそっと手の甲で拭ってやる。
「ごめんねぇ、Aイゾウの高そうなクシ、借りパクしちゃったままだ……
死ぬ前に返すよ…」
「気にすんな、ありゃあお前さんにやったんだ…早く元気になって、髪をゆわせてくれよ」
そうこうしていると、ミーナが絆創膏を持って戻ってくる。
「イゾウ隊長、持ってきました。あの、怪我はどこに…」
「ありがとよ、あとはこっちでやらァ」
そう言って手をひらりと振ると、イゾウは出て行った。
「…イゾウ隊長って、怪我するのね」
「ミーナぁ、そんなことより氷嚢変えて…」
「はい、どうぞお姫さま」
そうこうしていると、またノック。
それが何度も何度も続いた。
普段怪我なんてしない、しても治療なんかしない奴らの集まりなのに…
その中には、ハルタやビスタなど、隊長格も。
ミーナはバタバタと忙しそうだった。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
