11話 眠れない夜のこと。 ページ12
ある夏の日の夜。
潮風がじっとりと生暖かく、じんわりと汗をかいてしまうような、そんな夜だった。
Aはいつも通り、12時を回る前にはベッドに入った。
そうして、しばらくゴロゴロと寝返りを打っていた。
「…………ねれない」
それもそのはず、Aは今日の昼、エースと一緒に一日中甲板で昼寝をしていた。
甲板のど真ん中で昼寝をし、あまりに無防備な姿にマルコに怒鳴られてしまったのは記憶に新しい。
すっかり目が冴えてしまったAには、兄たちから乗船当初にもらったふかふかの最高級ベッドもカンに触る。
早々に寝ることを諦め、船内を歩き回ることにした。
「だれか起きてないかなぁ」
Aは朝までの遊び相手を探そうと、人がいそうなところをうろうろと回る。
すると、ふいに喉が渇いてきた。
自分の欲求に素直なAは、甲板に向けていた足をくるりと反転し、食堂へと向かった。
食堂に着くと、かすかに光が漏れている。
中を除けば、どうやらだれかがキッチンにいるようだ。
壁の端からリーゼントが行ったり来たり。Aはぱぁっと顔を明るくした。
「サッチ！」
「お、A。どうした、こんな時間に」
サッチは深夜のAに驚いたようで、一瞬目を見開いたが、すぐに優しい顔を浮かべた。
「眠れないの」
「そりゃ、昼間あんだけ寝てりゃあな…
よし、俺っち特性ハチミツホットミルクを作ってやるよ」
「ほんと？サッチだーいすき」
「もっと言って！！！」
サッチはA専用、可愛い猫のイラスト付きマグカップにホットミルクを入れてやる。
Aは大喜びで飲んだが、すぐに顔をしかめた。
「暑い夜にホットミルクって……
やっぱサッチきらい」
「え"！？」
すっかり暑くなってしまったAは、額にうっすら汗を浮かべていた。
このままじゃ暑くて耐えられない。
体を冷ましに行こうと立ち上がった。
「じゃあね、サッチ。私甲板に出て体を冷ましてくる」
「あんまり長居するなよ！冷えちまうからな」
「うん、わかってる」
そうしてサッチにマグカップを返し、ふらふらとまた歩き出した。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
