17話 ページ18
「キャァァァァア！？」
のどかな気候の中、つんざくようなAの悲鳴が響いた。
それまでダラダラと過ごしていた兄達は一斉に顔色を変え、武器を取る。
そして、Aの部屋まで駆け出した。
Aの部屋はこの船の一番奥。
オヤジの部屋の近くだ。
まさか、敵襲？いや、この船のそれほど奥に入れるやつとは、そんな手練れが存在するのか？
色々と思考を巡らせ、部屋の扉を蹴破る。
「どうしたァァァ！！」
「みんな……っ」
部屋の中には手練れはいなかった。しかし、Aがポロポロと泣いている。
兄達はすぐに武器を投げ捨て、Aを囲んだ。
「な、なんだ！？何があった！」
「ま、マルコのぉ…」
「マルコの？」
「マルコの本が破れてるのぉぉ！！」
おいおいと泣くA。
兄達は「「「それだけぇぇぇぇえ！？」」」とずっこけた。
「それだけって言わないで！これは、マルコが、マルコが大事にしてた本で…！」
Aがぎゅうっと握りしめる本は、マルコがある島で偶然見つけた古い本。
もうすでに絶版になっており、てにはいらない。
そんな本が、何か＿刃物のようなものに傷つけられ、ズタズタになっていた。
「おいおい、なんの騒ぎだよい」
「マルコぉ！！」
そのとき、遠くの部屋で仕事をしていたマルコがようやく到着した。
Aはマルコを見るなり、ぎゅっと飛びつき、「ごめんねぇ！」と泣き出す。
後ろで慰めていた兄達は、「羨ましいぃぃぃ！」とハンカチを噛んだ。
「Aね、マルコの本、せっかく貸してくれたのに……ダメにしちゃった」
「あ？これか？」
マルコはAの手から本をとる。
なるほど、たしかに貸した本だ。
しかし、Aがこんなことをするだろうか？
どう見てもこの切り口はナイフだ。こんなに泣いているAは、人のものを蔑ろにするやつじゃあ無い………
マルコが思考を巡らせていると、再び人が入ってきた。
「大丈夫ですか？すごい声がしましたけど……」
「「シーナちゃん！」」
「わあっ、マルコさん、その本！それ、Aちゃんに貸してた本ですよね……
どうして、そんなズタズタに？」
キョトンとした顔のシーナ。
マルコは全て合点がいった。
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ピーちゃん - とても面白くて愛らしかったし (2022年10月28日 20時) (
レス) @page42 id: e9f23f5dc7 (このIDを非表示/違反報告)
なつみ - ３４５回も会議やっての笑った!!!めちゃ面白い!!!これからも頑張ってください!!! (2022年10月13日 12時) (レス) @page37 id: 407d8a27ca (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - tottemo_ringoさん» ありがとうございます！！夢主ちゃんはわがまま末っ子気質なもので困りますね笑好きになっていただけてとても嬉しいです…！優しいお言葉とても力になります！ (2022年8月22日 0時) (レス) id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
tottemo_ringo(プロフ) - 今日初めて読みました。最初は主ちゃんに対して、なんやこの子！めっちゃわがままやんけ！といい印象ばかりではなかったものの、期待し読んでいくうちに完全にオチました。主ちゃんの性格と、周りの関係や反応がとても好きです。無理せず、更新お願いしたいです！！ (2022年8月9日 3時) (レス) @page37 id: 4137b5ba4e (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - みなさま大変お久しぶりです。長い間こちらの作品を放置しておりましたが、最近になってちょっとだけ書きたくなって戻ってきました。今後続けて連載していくかは未定です。書きたくなった時だけ書きます。あまり期待せずに暇つぶし程度に見てくださると嬉しいです。 (2022年8月6日 20時) (レス) @page36 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：センカ | 作成日時：2019年8月18日 18時
