18話 ページ19
異形な何かは俺らの存在に気付いたのか
食べていたものを放り投げ
俺らの事を追いかけてきた
日「はやく逃げないと!」
俺らがきている服装は動きやすい服装ではなく
加えて日向は走ることには向かないかかとの高い靴
それでも、全力で走って逃げた
『追いつかれる!』
もうダメだ、そう思った時
バチッと閃光が走り人が飛び出してきた
桑「大丈夫か!?若いの!」
父様よりも背の低いおじいさん
その背中は命を預けていいと思えるほどにたくましかった
おじいさんは俺らが瞬きをする一瞬で異形の首を切った
首を切られた異形は塵となって消えていった
桑「災難じゃったな、無事だったか」
『は、はい、ありがとうございました』
桑「家まで送ってやろう」
日「でも、父様と母様は…」
俺たちも緊張の糸が切れたのか
腰を抜かして地面にへたりこんでしまった
日向はボロボロと涙を流し、嗚咽をこぼす
桑「鬼に喰われたのか…」
おじいさんは家までついてきて僕らの両親を埋葬する手伝いをしてくれた
『命を助けてもらっただけじゃなく、こんなことまでしていただいて』
『本当にありがとうございます』
俺らが頭を下げると、おじいさんは頭をあげろと言ってきた
桑「いいんじゃ、お前さんたちみたいな若いのが早くして死ぬのはもったいない」
桑「さっきの奴は“鬼”といってな、人を喰らう化け物だ」
桑「主に夜に行動する、だから夜道に出るのはやめておいた方がいい」
おじいさんは懐から御守りを出すと、俺らに一つずつ分けてくれた
桑「この御守りには鬼の嫌う藤が入っておる、肌身離さず持っておくんじゃぞ」
日「ありがとうございます」
『あのおじいさんのお名前を聞いてもよろしいですか?』
桑「まだ名乗っとらんかったか、桑島慈悟郎じゃ」
『桑島治五郎さん、今日は本当にありがとうございました』
桑島さんは少し俺たちの事を見てこういった
桑「お前さんたち、これから行く当てがあるのか?」
考えていなかった
父様たちがいなくなった今、俺たちに帰る家はない
そして俺たちはまだ11歳
『ありません』
そう答えると桑島さんは「なら儂の家に来い」といった
断る理由がない俺らは桑島さんの後をついていった
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睡音 - 続編に入ってからもよろしくお願いします!! (2022年4月6日 15時) (レス) id: 951873bf54 (このIDを非表示/違反報告)
睡音 - 次こそちゃんと本編に入れます!! (2022年4月6日 15時) (レス) id: 951873bf54 (このIDを非表示/違反報告)
睡音 - こんなに長くなる予定はなかったんですけどね〜 (2022年4月6日 15時) (レス) id: 951873bf54 (このIDを非表示/違反報告)
睡音 - 過去編が長くなってしまいすみません!! (2022年4月6日 15時) (レス) id: 951873bf54 (このIDを非表示/違反報告)
睡音 - 関東事変と武道過去編が終わりました!! (2022年4月6日 15時) (レス) id: 951873bf54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡音 | 作成日時:2022年3月12日 22時