19話 〜××× End〜 ページ20
「Aちゃんっ!」
長が死んだのを確認するやいなや、私を抱き起す太宰さん。その拍子に、遮光眼鏡が外れ、私は太宰さんと目を合わせる。勿論異能無効化があるのでその心の声は聞こえない。
光の無いその眼から涙が流れているのが見えた。
『しくじっちゃい……ました』
「何を言ってるんだい、今すぐ助けを呼べば間に合うから!」
もう無理だよ、太宰さん。
『太宰さん……聞いてください』
「喋っちゃ駄目。今部下を呼んだから」
『包帯無駄遣い装置っ!』
未来、太宰さんが国木田さんに呼ばれる呼称。
「……何?」
『織田作が伝えられなかったこと、伝えます。太宰さん』
言わなきゃ。私が織田作の代わりに伝えないと。
『太宰さんは、生きる理由を見つけるためにマフィアに入ったんですよね』
「そうだけど、それがどうかしたのかい?そんなこと今話さなくたって」
『此処に居ても絶対見つかりません……だから』
文脈がめちゃめちゃだ。もっと考えておくんだった。
『こんなところに居て生きる理由を探すくらいなら、人を救ってください……人を救う側になったら、きっと、生きる理由が見つかると思うから。太宰さんならきっと良い人になれるから』
言えた、もう何も残ってない。
目を閉じる。涙がどんどん溢れてくる。もう、終わりだな。
『あ……つし、君に……会いたかった……な』
「え?」
やべ、口にしちゃった。
最期に、太宰さんに伝えたかったことを口に出す。
ずっと前から思ってた、私の一方的過ぎる感情を。
『大……好き、です……だ、ざいさん』
愛してます。ずっと前から、そして、これからも。私の嫁、いや、私の本気で恋した人。
「私は____」
そこで、私の意識は途切れた。
468人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ああ - うーーん。 (1月13日 11時) (レス) @page24 id: b494e7f131 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - そうだったんですか!大丈夫ですいつでも面白い話待ってます! (2018年10月1日 17時) (レス) id: e8ca853bb3 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - サクラさん» 読んでいただいてありがとうございます。大変申し訳ありませんが、やつがれちゃんの方は諸事情により公開を一旦やめておりまして……すみません (2018年10月1日 17時) (レス) id: 19604f2ea5 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いつも面白い小説見てます!あのやつがれちゃんで暗殺教室のパスワードがかかってて分からないんですが教えていただけませんでしょうか (2018年9月22日 0時) (レス) id: e8ca853bb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風寧 | 作成日時:2018年4月7日 16時