ミイラの飼い方『なんでこんなに可愛いんだろう…』 (ページ42)

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41話ページ42

他月side

俺がはじめてその存在を知ったのは保育園のとき、柏木とAに声をかけたらその足元に何かいた

柏木とAと遊ぶうちにその生き物のことを知るようになり

最初は柏木とAといる時だけその生き物達とも遭遇していたのだが…

空「口コミでね、広がるんだって」

他月「口コミ？」

『うん、あの子達、人間から離れて暮らしてるでしょ？だから、自分達のことを知ってる情報を共有してるの』

空「だから、困ったり助けてほしい時はその人達の前にだけ出てくるんだよ」

だからなのだろう

いつの間にか柏木やAといない時でも俺はその生き物たちと遭遇するようになった

今思えばその時点で俺はその生き物たちの事情を深く知っとくべきだったのだ

他月「……ドラゴン…？

柏木くんとAちゃんに見せてやろう」

その後、俺は1人でいる時に何度かその生き物達と遭遇した

河童や座敷童、貧乏神や福の神に狛犬、そしてある時は鬼や幽霊にも

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〜帰り道〜

もうこんな時間か…部活終わりにバイトはきついな

他月「…」

背後の気配に目線を少し動かし少し振り向くが、後ろに人影などはない

他月「…」

俺が歩けば足音が鳴り出し、俺が止まれば足音も止まる

それを何度か繰り返した

他月「言っておくが後をついて来ても何も持ってないからな」

俺の後をつけていたのはブルブル震え鼻水をだしているミィと同じサイズの小鬼だった

小鬼「…ずびっ｣

俺の言葉が聞こえていないのか小鬼は徐々に近づいてくる

小鬼「(ﾃｺﾃｺﾃｺ)」

他月「だからついて来るなと言ってるんだ。俺はお前達と関わるつもりはない、寒さを凌ぎたいなら柏木かAの家に行け」

ここにAがいたなら『いやナチュラルに私んちと空くんち進めるじゃん!?自分の家っていう選択肢はないの!?』と言った事だろう

小鬼「！」

他月「屋根が赤いあの家と屋根が黄色い家だ、わかるか？

あの家には鬼にも優しい人達が住んでる

赤い屋根の家のお兄さんか黄色い屋根の家のお姉さんに言えばなにか食わせてくれるだろうから、どっちかの家に行け。わかったな？」

理解してくれたのか小鬼は素直に頷いた

小鬼「(ｺｸｯ)」

他月「いい子だ」

助かった、あとで柏木とAに謝ろう……