魔王復活 ページ3
「魔王が復活したぞー!!!」
烏も目覚めていないであろう午前3時。
世界中に警報音が鳴り響いた。
◇
「はぁぁぁ!?なんで俺が!!!行かなあかんねん!!」
魔王の復活が知らされてから3時間後。午前6時。村にミヤアツムのガチギレ声が響いた。
「しょうがないやん。王様の命令なんやし」
アツムの双子の片割れ、ミヤ・オサムは他人事だと言わんばかりの興味なさげな表情でもぐもぐと朝ごはんを食べている。
「ありえないやん!!てっか、俺がなんで魔王討伐なんかしなきゃあかんねん!!死ぬほどどうでもええわ!!」
そう、アツムが爽やかな朝っぱらから怒っている理由はただ1つ。
この国の王様からアツムへ「魔王討伐をしてくるように」との命令が下ったのだ。ふざけている。
「でも...王様の命令ですし。それに賞金も貰えるらしいやないですか!...はは」
町人のリセキ・ヘイスケは乾いた笑いを零しながら言った。彼は王様の命令を聞いて、アツムに伝えるためにはるばる王都から村へやってきたのである。
「第一、魔王がいるからなんだっちゅーねん。俺は世界一の騎士になるんやから魔王討伐してる暇なんてないんやけど」
「でもツム、知っとるか。魔王倒しておいた方が世界一の騎士に1歩近づくで(知らんけど)」
オサムのその言葉にアツムの片眉がぴくりと反応した。
「.......サム、それほんまに?」
「おん。ほんま、ほんま(知らんけど)」
アツムは少しだけ単純である。いや、自分の好きなことに真っ直ぐ、と言った方が正しい。
「...まぁ、王様の命令やし...。行かないわけには行かないんよな」
「はい、あともう1つ伝えなければいけないことがあるんですけど...」
ヘイスケが口を開く。
「魔王討伐に行く前に、森の奥にあるおばあさんの家に寄るように...と、先程知らないおじさんに言われまして」
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作者名:妄想族 | 作成日時:2021年4月29日 21時