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ちっ ちっ ちっ
緊張感がある私の部屋に秒針の音だけが響く。
時刻は夜の8時。
お母さんもお父さんも今日は夜勤なので帰ってこない。
だから私はそれを美味しく頂いて太一を家に泊めることにした。
泊めると言っても恋人がするようなことをするわけではない。
あくまで話をするのだ。
太一が抱えている痣について。
でも家に入れたのはいいものの、なにから話していいのかが分からない。
そもそも話すこと自体が久しぶり過ぎて、場違いに少しだけ頬が緩んでしまうのを私は必死で抑えた。
「あの...」
先に沈黙を切ったのは太一だった。
「俺、Aさんに隠しごとしてました」
『...うん』
テーブルで向かい合って、私は静かに太一の言葉に耳を傾けた。
太一は無表情を微かに苦しそうに歪ませて口を開く。
「ほんとは、俺ずっとAさんのことを利用してたんです」
『...え？』
予想外の言葉が太一の口から零れた。
私の脳みそは混乱で微かに震える。
それでも太一は一語一句まっすぐに私に届けようと、しっかり私の目を見て話してくれている。
酷いことを言われているはずなのに、なぜかそれだけでも泣きたくなるくらいに嬉しかった。
「ちょっとだけ...いや、結構長くなるんすけど聞いてくれますか」
『いいよ』
むしろそれを聞かなければ絶対に後悔する。
私の即答に、一瞬太一は目を見開いてからふっと表情を緩ませた。
「ありがとうございます」
もう太一と向き合うことから逃げない。
どんなに悲しい事実でも、私は太一を受け止めたいって思ったから。
太一はきちんと約束通り私の睡眠剤になってくれたから。
私のお月さまに、なってくれたから。
お月さまがいるから夜に安心して眠れるんだ。
太一は薄い唇をそっと離して、ゆっくりと話し始めた。
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兎月うさぎ(プロフ) - みづさん» え〜！まじですか！めちゃくちゃ嬉しいです！その言葉だけでもう今日はいい日になりました笑 本当にありがとうございます！ (2021年4月3日 6時) (
レス) id: e0685c5060 (このIDを非表示/違反報告)
みづ(プロフ) - 私完全に兎月うさぎさんにハマってしまった…おもちゃ と 嘘と魔法が勘違い も何回も読み直してます！これからも応援してます！ (2021年4月2日 18時) (レス) id: 96731072cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎月うさぎ | 作成日時：2021年3月31日 10時
