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教室にもなかった。
私は学校内を走って走って走りまくった。
高校生活最後の放課後。
まさか落し物探しに使うことになるとは考えもしなかった。
約4年間、通い続けた校舎。
私は思い当たる場所すべてを探し回った。
食堂、多目的ホール、トイレ、図書室、音楽室、廊下、PC室...他にも色々な場所を探した。
でも見つからない。
ネックレスの代わりにあるのは、その場所での太一との思い出だけ。
走っていく中で4年間、確かに過ごした太一との時間が走馬灯のように流れては私の胸に温度をくれた。
”食堂”
私が1人で食べていても太一はわざわざ目の前の席に座ってきた。
＿＿誰かと食べた方が美味しいじゃないっすか。
そう言って太一は笑ってくた。
ほぼ毎日一緒に食べたお昼ご飯。
...太一が私とお昼食べてくれたの、嬉しかったよ。
”廊下”
いつもすれ違ったら話しかけてくれたよね。
＿＿あ、Aさん。小さくて気づかなかった。
＿＿明日練習試合あるんですけど見に来ません？
＿＿今日元気なくないですか？なんかありました？
＿＿前髪切りました？可愛いです。
小さな変化にもよく気がついてくれたよね。
いつの間にか太一と廊下ですれ違うことが楽しみになっている自分がいた。
”図書室”
テスト前によく一緒に勉強したね。
それから、それから...。
思い出していくと自然と視界が歪んで涙が出てきた。
私、こんなにたくさん太一から”目に見えない大切なもの”もらってたんだ。
なんでずっと気が付かなかったんだろう。
ネックレスだけじゃない。
毎日笑顔をくれた。
会話をくれた。
たとえ太一が元からすべて知っていたとしても太一からもらった温かな気持ちは本物なんだ。
いま無性に太一に会いたい。
謝らなきゃ。
ごめんね、って。
言えなくなる前に伝えなきゃ。
大好きだってことを。
ごしごしと制服の袖で涙を拭って再びネックレスを探そうと立ち上がると下校時刻を知らせるチャイムが鳴った。
気がつくとさっきまでいた夕日が沈み、夜が顔をだしていた。
まずい、学校から出なければならない。
でもまだ太一と話せてない。
まだネックレスを見つけられていない。
ぎゅと心臓が波打ち始めたとき誰もいないと思っていた廊下の後ろから凛とした声が聞こえた。
「Aさん」
ゆっくりと振り返ってみるとこの前ぶつかったぱっつん前髪の男の子がいた。
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兎月うさぎ(プロフ) - みづさん» え〜！まじですか！めちゃくちゃ嬉しいです！その言葉だけでもう今日はいい日になりました笑 本当にありがとうございます！ (2021年4月3日 6時) (
レス) id: e0685c5060 (このIDを非表示/違反報告)
みづ(プロフ) - 私完全に兎月うさぎさんにハマってしまった…おもちゃ と 嘘と魔法が勘違い も何回も読み直してます！これからも応援してます！ (2021年4月2日 18時) (レス) id: 96731072cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎月うさぎ | 作成日時：2021年3月31日 10時
