嘘と魔法が勘違い【赤葦京治】 (ページ50)

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次の日

昨日は眠れず、部屋に1人でいると色々考えてしまうのでいつもよりも30分も早く学校に到着した。

朝練が始まるまであと1時間もある。

何をしようか、と靴箱を開けると俺の上靴の上に1枚の封筒が置いてあった。

どくん、と大きく心臓がはねる。

酸素が薄い。

...なんで...。

それはあの日に拾ったAの遺書と同じ封筒

淡い桃色の封筒

俺は震える手でその封筒を取り出した。

でも、これはAの遺書ではなかった。

濃くてかくかくしたAの字で「赤葦京治くんへ」と丁寧に書いてあった。

裏には小さく「AA」と書かれている。

これは遺書ではなく、俺宛の手紙

心臓がうるさい。

手が震える。

外からの眩しい日光が手紙をきらきらと照らす。

やっぱりのり付がされていない。

そっと便箋を取り出すとAのあまい匂いがした。

大きく息を吐いて便箋をひらく。

.

.

そこで、俺はすべてを知った。

気がつくと俺は走り出していた。

今すぐ、Aに会わなければいけない。

Aのついていた嘘

Aの言っていた”死ぬこと”の本当の意味を俺は勘違いしていた。

朝練なんて、学校なんて今だけは頭になかった。

頭にあるのはAのことだけ。

会いたい会いたい会いたい

Aに今すぐ会いたい。

俺はこれ以上ないくらいの猛ダッシュで学校を飛び出した。

Aと”まちがいさがし”の”こたえあわせ”をするために。