嘘と魔法が勘違い【赤葦京治】 (ページ4)

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その日の部活中は全く集中出来なくて普段はしないようなミスも連発してしまった。

いや、逆に冷静でいろってほうが無理な話だ。

家に帰って部屋に入り、制服のポケットから例の封筒を取り出した。

遺書、ということは彼女はもうすぐ死ぬのだろうか。

それともいつ事故があったりするか分からないから書いている、という珍しい人なのか。

見てはいけない。

これを読んではいけない。

そう分かっていた。

いや、知っていたけど理解はしていなかったのかもしれない。

今日、俺に向日葵のように笑いかけた彼女が書いた「遺書」がどのようなものなのか気になってしまった。

最低だと頭では分かっていたが手は止まらない。

のり付すらもされていない封筒

便箋はたった1枚

取り出すとふわりと一瞬あまい香りがした。

3つ折りにされている便箋を俺は、開いてしまった。